ART
『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2024』で注目すべき5つの展示。
May 2, 2024 | Art, Travel | casabrutus.com | text_Mako Yamato
世界に名だたる文化都市・京都にて、歴史的建造物を舞台に繰り広げられる『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2024』が今年も開催中。13のメインプログラムのうちCasa BRUTUSが注目するのはこの5つの展示です。
写真で京都の街をジャックすると同時に、人類が考えるべき社会問題を提起する『KYOTOGRAPHIE』。第12回目となる今回のテーマは「SOURCE=源」。万物の始まりであり起源でもある、生命や自由、愛の源を探求する。国内外の気鋭の写真家が参加し、12の会場で繰り広げられる13のメインプログラムのうち、ここでは注目の5つの展示をピックアップ。見どころを案内したい。
■ヴィヴィアン・サッセン『発光体:アートセッション1990-2023』 @京都新聞ビル地下1階(印刷工場跡)
2015年まで40年間にわたり、休むことなく新聞を刷り続けてきた〈京都新聞ビル〉地下1階にあるかつての印刷工場。10年近い時を経てもなお、インクの匂いが残る空間で展示されているのは、オランダ出身のアーティスト、ヴィヴィアン・サッセンの日本初となる大回顧展だ。彼女の30年の活動の軌跡を辿り、過去作、未発表作品、ビデオインスタレーションなど十数のシリーズにのぼる200点以上の作品が展示されている。
子どもの頃にケニアで育ったバックグラウンドを持ち、ファッションデザインを学んだ後に写真に取り組んだサッセン。アートとファッションという2つの領域を横断して生み出される作品は、 鮮やかな色彩や仕掛け、フレーミング、被写体へのアプローチにおいても異彩を放ち、唯一無二の多彩な表現となっている。
ケニアで目にしてきた色彩や影が、自身に大きな影響をもたらしたというサッセン。父の死、セクシャリティ、文学や美術史など、彼女を取り巻く多くのものにインスピレーションを受け、写真や映像、ペインティング、コラージュを組み合わせた作品群へと昇華されている。
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