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デジタルとアートが開く未来を〈金沢21世紀美術館〉で見る|青野尚子の今週末見るべきアート
November 16, 2023 | Art | casabrutus.com | text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano 画像提供:金沢21世紀美術館 展示風景撮影:池田ひらく
この惑星はデジタルで覆われている。そこで生まれるアートは私たちをどう変えていくのだろう? 「DXP(デジタル・トランスフォーメーション・プラネット)―次のインターフェースへ」はデジタルとアートとの関係からこの星の行方を探るもの。宇宙船のような建築の〈金沢21世紀美術館〉で開催中です。
展覧会タイトルの「DXP」は「デジタル・トランスフォーメーション・プラネット」の頭文字をとったもの。丸い形の〈金沢21世紀美術館〉が惑星のように見えることも関係している。このグループ展に参加しているのは23組。アートだけでなく建築やファッション、サイエンス、ゲームなどさまざまなジャンルを横断しているのが特徴だ。
会場に入ってすぐのところにあるモニターには奇妙な服装で踊り狂う若者の姿が映し出される。これはレトロフューチャーをテーマにしているアーティスト、草野絵美の作品だ。画面に登場するのは実写ではなく、「モボ・モガ」「フーテン族」「タケノコ族」など、80年代以前のストリートファッションの説明文を画像生成AIに入力し、ニューラルネットワークで調整したもの。ありそうでなかった過去が未来に登場するかもしれない、そんな不思議な感情にかられる。
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illustration Yoshifumi Takeda
青野尚子
あおのなおこ ライター。アート、建築関係を中心に活動。共著に『新・美術空間散歩』(日東書院新社)、『背徳の西洋美術史』(池上英洋と共著、エムディエヌコーポレーション)、『美術でめぐる西洋史年表』(池上英洋と共著、新星出版社)。
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