ART
この春、イサム・ノグチの《天国》に現れるケリス・ウィン・エヴァンスのアート。
March 25, 2023 | Art | casabrutus.com | text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
丹下健三設計のビル内にあるイサム・ノグチの“庭園”に、ケリス・ウィン・エヴァンスのアートが出現。光や音、言葉がさまざまに翻訳され、意味が重なり合う作品です。
ケリス・ウィン・エヴァンスは1958年、イギリス・ウェールズ出身の現代アーティスト。ネオン、音、鏡、光などを素材に古今東西の文学・哲学・映画から天文学や物理学に至るまで、幅広い分野からの独自の引用による作品を制作している。日本でも〈ポーラ美術館〉で恒久設置作品を見ることができる。
今回の個展は丹下健三設計の〈草月会館〉1階にイサム・ノグチが設えた石庭《天国》で開催される。水が流れる空間が階段で結ばれ、光に導かれて高みに向かって上っていくような場だ。
今回の個展は丹下健三設計の〈草月会館〉1階にイサム・ノグチが設えた石庭《天国》で開催される。水が流れる空間が階段で結ばれ、光に導かれて高みに向かって上っていくような場だ。
エヴァンスはこの《天国》に光の柱による作品と松の木を配置する。光の柱はゆっくりと明滅し、石庭の「音色」を浮かび上がらせるのだと作者は言う。松の木は能舞台の設えにならったもの。能が表現する幽玄の時間を思わせる。
そこに自動演奏作品《Composition for 37 flutes》(2018年)が奏でる不思議な音が加わる。37本のクリスタルガラス製のフルートとコンプレッサーで構成され、アルゴリズムに基づいて自動でフルートに空気を送り込む仕掛けだ。能の囃子方の笛のように、和音と不協和音が交差する。
そこに自動演奏作品《Composition for 37 flutes》(2018年)が奏でる不思議な音が加わる。37本のクリスタルガラス製のフルートとコンプレッサーで構成され、アルゴリズムに基づいて自動でフルートに空気を送り込む仕掛けだ。能の囃子方の笛のように、和音と不協和音が交差する。
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