ART
3537作品から選抜! 『第25回文化庁メディア芸術祭』受賞作品、結果発表。
| Art, Culture, Design | casabrutus.com | text_Akiko Miyaura editor_Keiko Kusano
目覚ましい進化、多様化を続けるテクノロジーやメディア芸術とともに、歩んできた『文化庁メディア芸術祭』が、今年で25年目を迎えました。その歴史を追った企画展『AUDIBLE SENSES』が開催され、最終日には第25回となる本年度の各部門受賞作品を発表。興味深い受賞作から浮かび上がる、メディア芸術の今を探ります。
『文化庁メディア芸術祭』が、初めて開催されたのは1997年のこと。当時はパソコンやビデオカメラを個人で所有する人が増え、インターネットや家庭用ゲーム機の普及などが進んでいた。同時に世界で日本のアニメーションやゲームの評価が飛躍した時期でもあり、まさにメディア芸術が身近になった時代と言える。
2000年代に入ると、テクノロジーの日常化を感じさせる応募作品が増え、さらに近年は海外の芸術祭とのコラボレーションが実現するなど、グローバルな広がりを見せている。また、第1回には730作品だった応募が、16回を迎えるころには約5倍の3500作品を超え、ここ数年は4000前後の作品が集まっているそうだ。まさにメディア芸術の興隆が、数字にも如実に表れているのではないだろうか。
2000年代に入ると、テクノロジーの日常化を感じさせる応募作品が増え、さらに近年は海外の芸術祭とのコラボレーションが実現するなど、グローバルな広がりを見せている。また、第1回には730作品だった応募が、16回を迎えるころには約5倍の3500作品を超え、ここ数年は4000前後の作品が集まっているそうだ。まさにメディア芸術の興隆が、数字にも如実に表れているのではないだろうか。
去る3月8日~13日には第25回の受賞作品発表を前に、〈表参道ヒルズ スペースオー〉で『文化庁メディア芸術祭 企画展 AUDIBLE SENSES』が開催された。入口で来場者を迎えたのは、過去24年間の受賞作を並べた年表のパネル。そこにはテクノロジーの進化やその年の出来事によって、時代の空気やムーブメントが垣間見えた。同時に、アウトプットする媒体やツールは変わっても、古さを感じさせない作品が多いことに気づかされた人も多いはずだ。
会場にはインタラクティブな作品を中心に、厳選された歴代の受賞作を展示。例えば、空間に流れる電磁波をセンサーが感知し、真鍋大度が映像化、坂本龍一が音楽に変換して、巨大なパネルに映し出す《センシング・ストリームズ2022ー不可視、不可聴》。また、オープンリール式テープレコーダーを再生する間、磁気テープが独特の模様を描きながらアクリル容器にたまり、一定量に達すると不思議な音とともに高速で巻き上げる和田永の《時折織成 ―落下する記録―》などが紹介された。
ほかにも、ボタンを押すと手書きのキャラ「リズムシ」が踊り出す、成瀬つばさの人気アプリ《リズムシ》や、VRゴーグルを装着してレールの上の障害物を避けるゲームを楽しみながら、リズムに合わせてコントローラーを操作するMarc FLURY / Brian GIBSONの《Thumper》など、シンプルながら中毒性のある作品に来場者は夢中になって触れていた。
そして、その企画展の最終日には、場内のモニターと公式YouTubeチャンネルにて、『第25回文化庁メディア芸術祭』の受賞作品を発表。3537作品もの応募作から、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門の大賞、および優秀賞やソーシャル・インパクト賞、新人賞などが選出された。
ほかにも、ボタンを押すと手書きのキャラ「リズムシ」が踊り出す、成瀬つばさの人気アプリ《リズムシ》や、VRゴーグルを装着してレールの上の障害物を避けるゲームを楽しみながら、リズムに合わせてコントローラーを操作するMarc FLURY / Brian GIBSONの《Thumper》など、シンプルながら中毒性のある作品に来場者は夢中になって触れていた。
そして、その企画展の最終日には、場内のモニターと公式YouTubeチャンネルにて、『第25回文化庁メディア芸術祭』の受賞作品を発表。3537作品もの応募作から、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門の大賞、および優秀賞やソーシャル・インパクト賞、新人賞などが選出された。
インタラクティブアート、メディアインスタレーション、グラフィックアートなどが対象となる「アート部門」の大賞に選ばれたのは、anno lab(代表:藤岡定)の《太陽と月の部屋》。
大分県・豊後高田市の〈不均質な自然と人の美術館〉内に展示されているこの作品は、太陽の光と戯れられる部屋をコンセプトに作られた。人が部屋の中を歩くとセンサーが察知し、天井の小窓が自動で開閉して光に包まれる。さらに、足元の陽だまりが月の満ち欠けのように形を変えると同時に、ピアノ曲が流れる仕組み。自然光によって視覚光が持つ温もりを感じさせ、感覚と意識を研ぎ澄ませるように設計された心地よいインタラクティブアートだ。
大分県・豊後高田市の〈不均質な自然と人の美術館〉内に展示されているこの作品は、太陽の光と戯れられる部屋をコンセプトに作られた。人が部屋の中を歩くとセンサーが察知し、天井の小窓が自動で開閉して光に包まれる。さらに、足元の陽だまりが月の満ち欠けのように形を変えると同時に、ピアノ曲が流れる仕組み。自然光によって視覚光が持つ温もりを感じさせ、感覚と意識を研ぎ澄ませるように設計された心地よいインタラクティブアートだ。
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