ART
〈KAMU kanazawa〉の6つ目のアートスポット、〈KAMU k≐k〉がオープン。
March 21, 2022 | Art, Travel | casabrutus.com | photo_Masanori_Kaneshita text_Mariko Uramoto
金沢の私設美術館〈KAMU kanazawa〉が、6つ目となるスペース〈KAMU k≐k(カム ケーケー)〉を2021年12月に開廊。初回の展示は諏訪綾子の新作『TALISMAN in the woods(タリスマンインザウッズ)』だ。
現代美術作家を紹介するスペースとして、2020年6月に誕生した私設美術館〈KAMU kanazawa〉。金沢市内にアートスペースを次々とオープンさせ、アートの力で街を盛り上げている。最新スペースとなる〈KAMU k≐k〉は金沢の繁華街、片町と柿木畠の中央に位置する。初回を飾るのは石川県生まれのアーティスト、諏訪綾子だ。
今回の展示「TALISMAN in the woods」は諏訪のパーソナルな体験から生まれたもの。食にまつわるパフォーミングアートで知られる諏訪は2020年、創作の拠点を東京から山梨の森林地帯へ移した。横浜市の水源地に位置するこのアトリエの周囲に広がる深い森には、たくさんの間伐された木の枝葉が落ちていた。そのほとんどが活用されず、廃棄されていると知った諏訪は枝葉を持ち帰って束ね、タリスマン(魔除け)を作ることにしたという。
外部の刺激から身を守るため、殺菌力のある防御成分を揮発する木々には、抗菌、抗酸化、リラックス効果がある。多くの人が先が見えない不安な日々を過ごす中、諏訪は森の精気に満ちたタリスマンをしばらく会えない友人へ送り続けたという。都市に暮らす人々にとってタリスマンは、自然の豊かな恵みを感じられるものであり、その恵みに対して自分が何を返礼できるか、思いを馳せるギフトエコノミーの象徴でもある。そこから着想を得て生まれたのが、「TALISMAN in the woods」だ。
今回の展示「TALISMAN in the woods」は諏訪のパーソナルな体験から生まれたもの。食にまつわるパフォーミングアートで知られる諏訪は2020年、創作の拠点を東京から山梨の森林地帯へ移した。横浜市の水源地に位置するこのアトリエの周囲に広がる深い森には、たくさんの間伐された木の枝葉が落ちていた。そのほとんどが活用されず、廃棄されていると知った諏訪は枝葉を持ち帰って束ね、タリスマン(魔除け)を作ることにしたという。
外部の刺激から身を守るため、殺菌力のある防御成分を揮発する木々には、抗菌、抗酸化、リラックス効果がある。多くの人が先が見えない不安な日々を過ごす中、諏訪は森の精気に満ちたタリスマンをしばらく会えない友人へ送り続けたという。都市に暮らす人々にとってタリスマンは、自然の豊かな恵みを感じられるものであり、その恵みに対して自分が何を返礼できるか、思いを馳せるギフトエコノミーの象徴でもある。そこから着想を得て生まれたのが、「TALISMAN in the woods」だ。
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