ART
巨大な日本美術の世界に入ってみませんか?
July 27, 2021 | Art | casabrutus.com | text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
江戸時代を代表する5人の絵師の屛風や浮世絵が巨大映像に。絵の中に包み込まれるような体験が楽しめます。大きいからこそ、発見もある展示です。
「巨大映像で迫る五大絵師」は葛飾北斎・歌川広重・俵屋宗達・尾形光琳・伊藤若冲ら5人の絵師のほか、狩野派や作者不詳のものも含め、江戸絵画の華を最新デジタル技術で拡大して見せるもの。最初に「解説シアター」で作品や絵師についての解説を鑑賞してから、次に「メイン会場」の三面のスクリーンで巨大絵画の世界に浸るという構成だ。
主な登場作品は北斎「冨嶽三十六景」の《神奈川沖浪裏》、広重「東海道五拾三次」の《日本橋 朝之景》、宗達の国宝《風神雷神図屏風》、光琳《菊図屏風》、若冲の重要文化財《仙人掌群鶏図》など42作品。それらが縦7メートル、横45メートルの三面ワイドスクリーンに次々と映し出される。
数倍にも拡大された画面はさまざまなことを教えてくれる。浮世絵が摺られた和紙の凹凸、点描で表現された樹海や波、宗達の《風神雷神図屏風》に描かれた風神のさらさらの髪。その宗達と、彼に心酔した尾形光琳による2つの「風神雷神図屏風」を比較する試みも。若冲の鶏や草花のディテールには絵師の執念が伺える。
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