ART
チームラボのサウナで脳が”最高級”になる!?
『カーサ ブルータス』2021年5月号より
April 13, 2021 | Art, Culture | a wall newspaper | photo_teamLab text_Akiko Miyaura editor_Yuka Uchida
アート集団チームラボが東京・六本木で、アートとサウナを掛け合わせた前代未聞の展覧会を、2021年8月31日まで開催中です。
猪子寿之が考えるアートはいつも想像をはるかに超えてくる。近年の関心事はエネルギーの秩序だと話していたが、サウナと融合するなんて誰が考えただろう。その頭の中を覗かせてもらおうと『チームラボ&TikTok, チームラボリコネクト:アートとサウナ 六本木』について話を聞いた。
Q アートとサウナを同時に体験するという予想外の展覧会が始まりました。その発想はどこから?
アートはルーヴル美術館やベルサイユ宮殿といった権威のある場所に置いて、鑑賞してもらうことがいいとされてきた。じゃあ、東京ならどこか。施設の老朽化が進み、世界に誇れる高貴な場所って多くはないんですよ。現状で海外から来た人に、どうアートを楽しんでもらうかと考えたとき、人間に最高級になってもらって作品を見てもらおうと思いついたんです。場所はおんぼろでも、見る人の脳を変えればいいわけだから。
Q アートとサウナを同時に体験するという予想外の展覧会が始まりました。その発想はどこから?
アートはルーヴル美術館やベルサイユ宮殿といった権威のある場所に置いて、鑑賞してもらうことがいいとされてきた。じゃあ、東京ならどこか。施設の老朽化が進み、世界に誇れる高貴な場所って多くはないんですよ。現状で海外から来た人に、どうアートを楽しんでもらうかと考えたとき、人間に最高級になってもらって作品を見てもらおうと思いついたんです。場所はおんぼろでも、見る人の脳を変えればいいわけだから。
Q 高級になる=サウナと繋がるところが、さすが猪子さんですね。
サウナと冷水と休憩を繰り返し、脳が特殊になった状態を “ととのう” と呼びますが、脳幹内に特殊な物質が出まくっているので、感度が高く研ぎ澄まされているんです。その “最高級” の状態で僕らの超自然現象みたいな危ない作品を見たら、脳がヤバいことになるはず(笑)。これは面白いぞ、と。
Q 超自然現象をより体感できる作品が今回の《空中浮揚》ですね。
エネルギーの秩序を意図的に作ることで、地面にあるはずの球体が空中で静止したり、上下したりを繰り返す作品。要は、物理の法則に反する超自然現象なんです。
サウナと冷水と休憩を繰り返し、脳が特殊になった状態を “ととのう” と呼びますが、脳幹内に特殊な物質が出まくっているので、感度が高く研ぎ澄まされているんです。その “最高級” の状態で僕らの超自然現象みたいな危ない作品を見たら、脳がヤバいことになるはず(笑)。これは面白いぞ、と。
Q 超自然現象をより体感できる作品が今回の《空中浮揚》ですね。
エネルギーの秩序を意図的に作ることで、地面にあるはずの球体が空中で静止したり、上下したりを繰り返す作品。要は、物理の法則に反する超自然現象なんです。
Q エネルギーの秩序に注目されたのは、何かきっかけがあって?
世の中には生命体と非生命体があって、非生物の象徴がまさに今世界が戦っているウイルス。現代の生物学だと、ウイルスは生物ではないとされるんですが、命あるように振る舞いながら、生命体じゃないとは言い難いよね(笑)。むしろ、生命体と非生命体には連続性があるんじゃないか、生命とはエネルギーの秩序が高い状態なのかもしれないと考えたんです。ならばエネルギーの秩序を作って、生命的なものを生成しようと生まれたのが《空中浮揚》。最高級の状態であの超自然現象を見ると、アートと自分の境界がなくなって、世界や時間と繋がっていくはず。そんな体験をしてほしいですね。
世の中には生命体と非生命体があって、非生物の象徴がまさに今世界が戦っているウイルス。現代の生物学だと、ウイルスは生物ではないとされるんですが、命あるように振る舞いながら、生命体じゃないとは言い難いよね(笑)。むしろ、生命体と非生命体には連続性があるんじゃないか、生命とはエネルギーの秩序が高い状態なのかもしれないと考えたんです。ならばエネルギーの秩序を作って、生命的なものを生成しようと生まれたのが《空中浮揚》。最高級の状態であの超自然現象を見ると、アートと自分の境界がなくなって、世界や時間と繋がっていくはず。そんな体験をしてほしいですね。
いのこ としゆき
1977年生まれ。アート集団チームラボ代表。アート、サイエンス、テクノロジーを融合させ、自分と世界との間にある連続性などを模索する作品を制作する。
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