ART
皇室の名宝がお蔵出し! 若冲《旭日鳳凰図》や《動植綵絵》8幅などが公開へ。
October 13, 2020 | Art | casabrutus.com | text_Housekeeper
天皇陛下の即位を記念する特別展『皇室の名宝』が〈京都国立博物館〉で開催中。〈宮内庁三の丸尚蔵館〉所蔵の名だたる品々が一堂に集まる貴重な機会です。
天皇陛下の即位とともに元号が改まり、令和の世を迎えたいま。新たな世の始まりを記念した特別展がはじまっている。会期は前期が10月10日から11月1日、後期が11月3日から11月23日の予定だ。
本展では〈宮内庁三の丸尚蔵館〉の名品を展示する。伊藤若冲の《旭日鳳凰図》や《動植綵絵》30幅中8幅のほか、大嘗祭に描かれた《悠紀・主基屏風》など貴重な蔵出し作品が目白押しとなっている。
本展では〈宮内庁三の丸尚蔵館〉の名品を展示する。伊藤若冲の《旭日鳳凰図》や《動植綵絵》30幅中8幅のほか、大嘗祭に描かれた《悠紀・主基屏風》など貴重な蔵出し作品が目白押しとなっている。
ここから、本展の展示作品をピックアップしてご紹介。
〈三の丸尚蔵館〉には皇室と縁のある書画が数多く収蔵されているが、大部分が江戸時代以前から皇室周辺で用いられてきた品と、明治時代以降に献上された品だ。本展では、書き文字の美しさが尊ばれる日本で、今も私たちが学ぶ楷書、行書、草書などの書法を美しく完成させた王羲之の模本を展示。さらには「三跡」に数えられる小野道風、藤原佐理、藤原行成や、平重盛、西行、藤原定家といった歴史上の人物の個性豊かな書も観ることができる。
〈三の丸尚蔵館〉には皇室と縁のある書画が数多く収蔵されているが、大部分が江戸時代以前から皇室周辺で用いられてきた品と、明治時代以降に献上された品だ。本展では、書き文字の美しさが尊ばれる日本で、今も私たちが学ぶ楷書、行書、草書などの書法を美しく完成させた王羲之の模本を展示。さらには「三跡」に数えられる小野道風、藤原佐理、藤原行成や、平重盛、西行、藤原定家といった歴史上の人物の個性豊かな書も観ることができる。
漢字から万葉仮名へ、そしてかな文字へと深化していく和漢の交わりも、美麗な古筆の名品で辿ることができる。江戸時代までの日本は中国・漢の文物に学び、そこに自らの風土に根ざした美意識を加えることで豊かな和の文化が創造されてきた。
絵画では、鎌倉時代に元寇を描いた《蒙古襲来絵詞》や、20巻全てが欠けることなく伝世した《春日権現験記絵》など、教科書でおなじみの作品も。
狩野永徳、海北友松、俵屋宗達、狩野探幽、尾形光琳、円山応挙、伊藤若冲……。桃山から江戸時代にかけて登場した彼らの作品も、屏風を中心に多数展示される。
令和の即位礼では、皇居正殿の高御座(たかみくら)に登壇される天皇陛下の姿が印象的だったが、江戸時代にも同じように行われた様子を描いたのが《霊元天皇即位図屏風》だ。〈京都御所〉にある紫宸殿(ししんでん)内の高御座には、金属と玉に飾られた冕冠(べんかん)をかぶり、鮮やかな赤い装束に身を包む天皇の姿が。その装いから中国の影響が強くうかがえる。
本展は、天皇家に伝来する品々が東京以外の地でまとまって公開される初めての機会。伝統の名品の数々を観にぜひ足を運んでみたい。
御即位記念 特別展『皇室の名宝』
〈京都国立博物館〉京都市東山区茶屋町527。TEL 075 525 2473。前期10月10日~11月1日、後期11月3日~11月23日。月曜休(11月23日は開館)。9時30分~18時(入館〜17時30分)。観覧料1,800円。
