ARCHITECTURE
西沢立衛が映画で読み解く、建築家としてのアイリーン・グレイ。
『カーサ ブルータス』2017年11月号より
October 22, 2017 | Architecture, Culture | a wall newspaper | photo_Yuri Manabe text_Sawako Akune editor_Wakako Miyake
ル・コルビュジエがその才能に嫉妬したともいわれる、同時代の女性デザイナーを描いたドラマを、西沢立衛が語る。
言わずと知れた近代建築の巨匠、ル・コルビュジエが、1957年に妻のために建てた佳作〈休暇小屋〉があることで知られる南仏の海辺の町、カップ・マルタン。これに先駆けることおよそ30年、コルビュジエをこの町に導くきっかけとなったのが、アイリーン・グレイによる小さな住宅〈E.1027〉だ。コルビュジエより10歳ほど年上の彼女は、インテリアデザイナーとして早くから頭角を現し、26年に恋人であるジャーナリスト、ジャン・バドヴィッチとともにこの地に家をつくる。コルビュジエは、バドヴィッチの誘いで、早くにここを訪れているのだ。近く公開の映画『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』は、この〈E.1027〉を巡る話が展開する、建築好きならば見逃すことのできない作品だ。
「僕自身は、この〈E.1027〉を訪れたことはないので、あくまで想像ですが、オリジナリティーがありますね」と話すのは、建築家・西沢立衛さん。
「僕は実は、さほどアイリーン・グレイについて詳しくはないのですが、もともとインテリアや家具のデザイナーとしてスタートして、初めての建築作品としてこれを建てたと知ると、驚かざるをえません。インテリアが建築になったというのでしょうか。誰かの真似ではない、彼女ならではの空間をつくっているように思います」
「僕自身は、この〈E.1027〉を訪れたことはないので、あくまで想像ですが、オリジナリティーがありますね」と話すのは、建築家・西沢立衛さん。
「僕は実は、さほどアイリーン・グレイについて詳しくはないのですが、もともとインテリアや家具のデザイナーとしてスタートして、初めての建築作品としてこれを建てたと知ると、驚かざるをえません。インテリアが建築になったというのでしょうか。誰かの真似ではない、彼女ならではの空間をつくっているように思います」
グレイによる名作チェア!
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