ARCHITECTURE
20世紀モダニズム建築の名作に呼応する、坂 茂の最新作〈豊田市博物館〉へ。
『カーサ ブルータス』2024年7月号より
June 12, 2024 | Architecture, Travel | window on the world | photo_Satoshi Nagare text_Ai Sakamoto
20世紀モダニズム建築の名作との呼び声高い、谷口吉生の〈豊田市美術館〉。4月26日、その隣地に坂 茂が設計を手がけた〈豊田市博物館〉が開館した。
坂が意識したのは2館の調和と対比。「それぞれのプロポーションをある程度揃えて並列することで調和を、ガラスや金属を使った直線的な建築である美術館に対して、博物館は木をふんだんに使った21世紀らしい有機的な建築として対比をさせた」という。
それらをつなぐのがピーター・ウォーカーによるランドスケープだ。美術館上段の庭園が博物館へ延長されるように、敷地を一体的に再計画。相乗効果を図った。
それらをつなぐのがピーター・ウォーカーによるランドスケープだ。美術館上段の庭園が博物館へ延長されるように、敷地を一体的に再計画。相乗効果を図った。
建物を印象づける大屋根の格子梁には、デザインモチーフとして豊田市の市章を採用。高さ約9mの〈えんにち空間〉がゲストを出迎える。一方、ZEB Ready(基準一次エネルギー消費量の50%以上の削減に適合した建築物)認証を取得し、災害時には防災拠点としての顔も。市民に寄り添い、共に成長していく博物館を目指す。
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