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ARCHITECTURE

デジタル時代の図書館の意義を問う、スノヘッタ設計の〈北京市立図書館〉。

『カーサ ブルータス』2024年5月号より

| Architecture | window on the world | photo_Zhu Yumeng   text_Chiyo Sagae

デジタルの進化によって居場所を問わず情報へのアクセスが可能になった現代、図書館の新たな意義を提起するスノヘッタ設計の〈北京市立図書館〉が開館した。

中国原産の樹齢2億9000万年のイチョウの葉を模したパネルを重ねた天井。木漏れ日のように光が満ちる。奥には段々畑の風景のような「丘」。
中国原産の樹齢2億9000万年のイチョウの葉を模したパネルを重ねた天井。木漏れ日のように光が満ちる。奥には段々畑の風景のような「丘」。
天井のパネルと柱は屋外まで伸びる。
天井のパネルと柱は屋外まで伸びる。
高さ16mの広々とした閲覧空間「渓谷」。麓で蛇行する川のように設けた動線が有機的。この動線が南北のエントランスをつなぐ。
高さ16mの広々とした閲覧空間「渓谷」。麓で蛇行する川のように設けた動線が有機的。この動線が南北のエントランスをつなぐ。
中国原産の樹齢2億9000万年のイチョウの葉を模したパネルを重ねた天井。木漏れ日のように光が満ちる。奥には段々畑の風景のような「丘」。
天井のパネルと柱は屋外まで伸びる。
高さ16mの広々とした閲覧空間「渓谷」。麓で蛇行する川のように設けた動線が有機的。この動線が南北のエントランスをつなぐ。
イチョウの葉をかたどる屋根や、渓谷を想起させる巨大な閲覧空間が設計の要に。段々畑のような構造は地面、座席、書棚として機能するとともに、半個室の読書室や会議室にもなる。寛いだり本を読んだりする私的なゾーンでありながら、広い空間とつながることで開放と閉鎖、公私を同時に感じさせる。ページをめくり、風景に目を向け、人と対話するという体験。こうした原初的な読書の喜びを呼び覚ますことが現代の図書館の役割だとスノヘッタは位置づける。

館内の温度、照明、音響の制御システムを内部に組み込む柱や世界最大級の書籍自動保管・検索システム、ASRSなど最先端技術も兼ね備えた未来型図書館の誕生だ。
イチョウの葉の屋根と館内外の無数の柱が印象的な外観。
イチョウの葉の屋根と館内外の無数の柱が印象的な外観。

〈Beijing City Library〉

Lv Xin Road Courtyard No.1, Building No.3, Tongzhou District, Beijing。10時~20時。月曜休。

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