ARCHITECTURE
デジタル時代の図書館の意義を問う、スノヘッタ設計の〈北京市立図書館〉。
『カーサ ブルータス』2024年5月号より
April 17, 2024 | Architecture | window on the world | photo_Zhu Yumeng text_Chiyo Sagae
デジタルの進化によって居場所を問わず情報へのアクセスが可能になった現代、図書館の新たな意義を提起するスノヘッタ設計の〈北京市立図書館〉が開館した。
イチョウの葉をかたどる屋根や、渓谷を想起させる巨大な閲覧空間が設計の要に。段々畑のような構造は地面、座席、書棚として機能するとともに、半個室の読書室や会議室にもなる。寛いだり本を読んだりする私的なゾーンでありながら、広い空間とつながることで開放と閉鎖、公私を同時に感じさせる。ページをめくり、風景に目を向け、人と対話するという体験。こうした原初的な読書の喜びを呼び覚ますことが現代の図書館の役割だとスノヘッタは位置づける。
館内の温度、照明、音響の制御システムを内部に組み込む柱や世界最大級の書籍自動保管・検索システム、ASRSなど最先端技術も兼ね備えた未来型図書館の誕生だ。
館内の温度、照明、音響の制御システムを内部に組み込む柱や世界最大級の書籍自動保管・検索システム、ASRSなど最先端技術も兼ね備えた未来型図書館の誕生だ。
〈Beijing City Library〉
Lv Xin Road Courtyard No.1, Building No.3, Tongzhou District, Beijing。10時~20時。月曜休。