ARCHITECTURE
ザハ・ハディド・アーキテクツによる新たなSFの聖地が、中国・成都に誕生!
『カーサ ブルータス』2024年1月号より
December 21, 2023 | Architecture | window on the world | photo_Arch-Exist text_Chiyo Sagae
『世界SF大会』と「ヒューゴー賞」の会場として、ザハ・ハディド・アーキテクツによる〈成都SFミュージアム〉が開館。
半世紀にわたり著名なSF作家を輩出してきた中国・成都で開催された、『世界SF大会』と世界的なSF・ファンタジーの賞「ヒューゴー賞」の会場として、ザハ・ハディド・アーキテクツによる〈成都SFミュージアム〉が開館。星雲をイメージした建築の内部には、劇場や展示室、イベント会場を内包する。ジンロン湖に浮かぶ姿は、まさにSF世界を現実に感じさせる。
市街地や周囲の公園をつなぐ複数の歩道が建物の中心へ続き、星形のメイン棟が様々なアクティビティエリアにつながる拠点となる。流動的な形状の外観は成都の自然景観との一体化を目指しつつ、あくまで未来的。一方、中央のアトリウムの巨大な天窓「SFの眼」は、青銅器時代の三星堆文明の彫刻や仮面に天体の形が見られることから着想を得た。この地に根差す古代文明と現代SFのロマンを、時空を超えて交差させる手腕も見事だ。
〈成都科幻博物館〉
中国四川省成都市平度区徳源街金源西路189号。現在は改修のため休館中(再開日未定)。