ARCHITECTURE
サーペンタインに登場した石上純也のパビリオン。
『カーサ ブルータス』2019年8月号より
July 16, 2019 | Architecture, Design, Travel | window on the world | photo_Haruko Tomioka text_Megumi Yamashita
サーペンタイン・ギャラリー前に建てられる世界が注目する建築パビリオン。その19作目となる石上純也の作品が公開になった。
イギリス国内に実作品がないなどの条件で毎年セレクトされ、日本人によるものでは4作目になる。「自然と人工的なものが交差し、風景の一部になるようにイメージしました」と、世界各地に古くからある石材で葺いた屋根に着目。イギリスで屋根材に使われる天然スレートを使って地域性を出す一方、無国籍的なものを表現したという。
ランダムにスレートが積まれたなだらかに弧を描く屋根は、石の丘のようにも翼を広げた鳥のようにも見える。その下の洞窟的な空間では細い柱が雨のように林立する。重い屋根をあえて細い柱が支えるように見せるため、構造上のこだわりも石上建築ならではのもの。世界に羽ばたく石上の姿とも重ねてみたいパビリオンだ。
〈Serpentine Gallery〉
Kensington Gardens London W2 3XA TEL (44)20 7402 6075。10時〜18時。月曜休。入場無料。10月6日まで。