ART
8点が一堂に並ぶ、話題の『フェルメール展』へ急げ!
October 19, 2018 | Art | casabrutus.com | photo_Manami Takahashi text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
現存する作品はわずか35点とも言われるフェルメール。貴重な作品がオランダ、ドイツ、アイルランド、アメリカなどから来日中です。なんと8点がひとつの部屋にずらりと並ぶという、日本初の試みも話題に。絶対に見逃せない展覧会です。
ヨハネス・フェルメールの名前が注目されたのは1995年〜96年にワシントンとオランダのデン・ハーグで開かれた展覧会がきっかけだった。そのブームを受けて日本では2000年に大阪市立美術館で『フェルメールとその時代展』が開催。それ以来、フェルメールを一目見たい、という人は増えるばかりだ。
人気の理由の一つはその静けさだろう。彼の絵に登場するのは1人か2人、多くて3人だ。描かれている人物は手紙の読み書きをしたり、楽器の演奏を始めようとするなど、静的な動作が多く描かれる。乱痴気騒ぎやケンカ、大勢での踊りといった場面が描かれることはない。
人気の理由の一つはその静けさだろう。彼の絵に登場するのは1人か2人、多くて3人だ。描かれている人物は手紙の読み書きをしたり、楽器の演奏を始めようとするなど、静的な動作が多く描かれる。乱痴気騒ぎやケンカ、大勢での踊りといった場面が描かれることはない。
フェルメールの絵には余韻がある。描かれた人物は手紙の相手など、その絵の中にはいない人のことを想っているように見える。もの思いにふけるように見える人物もいる。表情も抑えめだから、登場人物は何を考えているのだろうか、どうしてそんな表情をしているのか、と見る者の想像力をかきたてるのだ。
彼が寡作だったことも、多くの人の興味をひきつける。わずか40年あまりの生涯に残した作品は35点とも言われる(研究者によって数に相違がある)。失われた作品を計算に入れても生涯に50点程度の絵画しか描かなかったのではないかと言われている。今回の「フェルメール展」のために来日した作品は全部で10点で、東京展ではそのうちの9点が展示され、うち2点が期間限定(大阪展は大阪でのみ展示される1点も含めて6点)。これまで開かれたフェルメールの展覧会でもなかなか見られなかった光景だ。
彼が寡作だったことも、多くの人の興味をひきつける。わずか40年あまりの生涯に残した作品は35点とも言われる(研究者によって数に相違がある)。失われた作品を計算に入れても生涯に50点程度の絵画しか描かなかったのではないかと言われている。今回の「フェルメール展」のために来日した作品は全部で10点で、東京展ではそのうちの9点が展示され、うち2点が期間限定(大阪展は大阪でのみ展示される1点も含めて6点)。これまで開かれたフェルメールの展覧会でもなかなか見られなかった光景だ。
フェルメール作品だけがずらっと並んでいるのを見ていくと、いろんなことがわかってくる。展示はおおむね年代順だ。最初期の《マルタとマリアの家のキリスト》は他の作品に比べるとなんとなくぼやっとして見える。服もパンも、パンを載せている籠も家の壁も似たようなタッチで描かれているのだ。ちょうど反対側の壁にかかっている《牛乳を注ぐ女》と比べるとその違いは一目瞭然だ。《牛乳を注ぐ女》のパンや籠は、それぞれの質感がしっかりと感じられる。
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