『大地の芸術祭2018』新作・見どころ一気に紹介!【後編】 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

『大地の芸術祭2018』新作・見どころ一気に紹介!【後編】

開催中の『大地の芸術祭2018』現地リポート後編。今年初めて登場した新作から、地域の施設や廃校などを活用した屋内作品を中心に厳選紹介します!

レアンドロ・エルリッヒ《Palimpsest:空の池》。タイトルは上書きした羊皮紙の意味。空間にグラフィックを上書きして、建物の歴史を重ねていく。
〈越後妻有里山現代美術館[キナーレ]〉にはレアンドロ・エルリッヒの作品が出現! 中庭に水が張られていて、2階のある場所から見下ろすと建物の列柱や空が映り込んでいるように見える。でも周りをぐるっと回ってみるとそれが映り込みではなく、水底に描かれたグラフィックであることがわかる。だまし絵の原理で作られたアートなのだ。
昨年、現場の下見に訪れたレアンドロ・エルリッヒの様子はこちら。完成時には「ほんのわずかなズレやミスでも“魔法”がとけてしまうんだ」と長い制作過程を振り返った。
「この作品は越後妻有で見た水田の光景がインスピレーションの一つ。田植えから間もない水田に空が映っているのが見えたんだ」とレアンドロは言う。

「僕たちは普通、ものをある一点から見ることしかできない。対象を一度にすべての視点から見ることは不可能だ。この作品では動いてみるとリアリティも変化することがわかる。現実は常に動き続けているんだ」(レアンドロ・エルリッヒ)

この作品の背景には「色即是空」といった考え方がある。

「仏教におけるリアリティの概念では、ものごとには無と有のどちらかしかないというわけではなく、精神的なレベルではそれらが輻湊していると考える。唯物的な西洋の考え方とは違うものだ」(レアンドロ・エルリッヒ)
水遊びにもぴったり。水遊びのあとには、[キナーレ]内の日帰り温泉「明石の湯」へ行くのもいい。
水は生命にとって欠くことのできない本質的なものであり、鏡のように景色を映し出すものだから水を使った、とレアンドロは言う。曇りでも雨や雪が降っていても水底には青空が広がっているのも面白い。
夕暮れ時の風情もまたよし。