ART
クリエイションの源は愛! 名作を生んだ芸術家カップル。
『カーサ ブルータス』2018年6月号より
May 18, 2018 | Art | a wall newspaper | text_Naoko Aono
愛する人からインスピレーションを得たクリエイターたち。刺激し合うカップルがテーマの展覧会がフランスで開催中です。
恋愛はクリエイションの大きな源泉だ。恋の喜びや苦しみが新たな表現を生むこともある。20世紀前半に活躍したカップル40組の展覧会が〈ポンピドゥーセンター・メス〉で開かれている。
キュレーターは、男性にインスピレーションを与えるミューズ(女神)としてだけでなく、自らも画家やデザイナー、評論家、ダンサーなどとして活躍した女性をとりあげる。ピカソの愛人の一人、ドラ・マールはシュルレアリスムの写真家だった。メキシコ壁画運動で知られるディエゴ・リベラの妻フリーダ・カーロは、今ではディエゴよりも高く評価されている。アルプ夫妻、アルバース夫妻、バーバラ・ステパーノワとアレクサンドル・ロトチェンコ夫妻は生活をともにしながらアーティスト、デザイナーとして刺激し合った。
モデルだったリー・ミラーは写真の師匠であり、恋人でもあったマン・レイとともにソラリゼーションという技法を生み出し、別れた後は写真家として活躍する。アイリーン・グレイの住宅〈E.1027〉は恋人の建築ジャーナリスト、ジャン・バドヴィッチのために作られたものだ。同性愛者だったジャン・コクトーの恋人であり、作家のジャン・デボルドや未来派の画家、マリネッティ夫人であり、同じく未来派の画家として活動したベネデッタ・カッパなど、あまり知られていない人々も登場する。
20世紀の芸術やデザインでは、ともすれば男性だけが表舞台に立っているように見える。しかしその裏側では果敢にクリエイションに挑戦していた女性たちがいた。歴史に埋もれてしまいがちな女性にスポットをあてることで20世紀美術の新しい顔が見えてくる。
キュレーターは、男性にインスピレーションを与えるミューズ(女神)としてだけでなく、自らも画家やデザイナー、評論家、ダンサーなどとして活躍した女性をとりあげる。ピカソの愛人の一人、ドラ・マールはシュルレアリスムの写真家だった。メキシコ壁画運動で知られるディエゴ・リベラの妻フリーダ・カーロは、今ではディエゴよりも高く評価されている。アルプ夫妻、アルバース夫妻、バーバラ・ステパーノワとアレクサンドル・ロトチェンコ夫妻は生活をともにしながらアーティスト、デザイナーとして刺激し合った。
モデルだったリー・ミラーは写真の師匠であり、恋人でもあったマン・レイとともにソラリゼーションという技法を生み出し、別れた後は写真家として活躍する。アイリーン・グレイの住宅〈E.1027〉は恋人の建築ジャーナリスト、ジャン・バドヴィッチのために作られたものだ。同性愛者だったジャン・コクトーの恋人であり、作家のジャン・デボルドや未来派の画家、マリネッティ夫人であり、同じく未来派の画家として活動したベネデッタ・カッパなど、あまり知られていない人々も登場する。
20世紀の芸術やデザインでは、ともすれば男性だけが表舞台に立っているように見える。しかしその裏側では果敢にクリエイションに挑戦していた女性たちがいた。歴史に埋もれてしまいがちな女性にスポットをあてることで20世紀美術の新しい顔が見えてくる。
〈ポンピドゥーセンター・メス〉 モダン・カップル 1900-1950
8月20日まで。10月10日から2019年1月27日までロンドンの〈バービカンセンター〉に巡回。