ART
オラファー・エリアソンにカメラが密着! その制作の秘密に迫ります。
July 15, 2017 | Art | a wall newspaper | text_Jun Ishida editor_Yuka Uchida
世界が注目するアーティスト、オラファー・エリアソン。その貴重なドキュメンタリー映画が公開されます!
今、世界がその作品を待ち望むアーティストの名を挙げるとしたら、オラファー・エリアソンは間違いなくその筆頭となるだろう。2003年にロンドンの〈テート・モダン〉で人工の太陽の光を創出した《ウェザー・プロジェクト》、08年にNYのダウンタウンエリアを巨大な展示会場と化した《ザ・ニューヨークシティー・ウォーターフォールズ》と、アート界を超え広く人々を魅了する作品を発表してきたオラファー・エリアソン。あまりメディアに登場することのない彼の創作活動に密着したドキュメンタリー映画が公開される。09年に制作された『オラファー・エリアソン 視覚と知覚』だ。
映画は、06年から08年にかけて、NYでのプロジェクトや金沢、豊島での展示準備に取り込むオラファーの姿を追う。家族が住むコペンハーゲンとスタジオのあるベルリン、NY、アイスランドと世界中を旅しながら作品制作を行うオラファーの日常は、それだけで十分刺激的だ。しかし、この映画を貴重かつユニークなものにしているのはオラファーの空間や視覚をめぐる言葉であり、時折画面を通して彼が観客との間で試みる知覚的実験だろう。それらはまるで彼の作品の種明かしのようでもある。
この映画の日本公開にあたりオラファーは一切のインタビューを受けなかったと聞くが、それもうなずける。なぜなら、彼のアートに関する考え方から、影響を受けたもの、そして制作方法まで、すべてはここで示されているからだ。映画のなかで、オラファーは繰り返し作品が鑑賞者の参加によって完成することを語る。この映画から何を感じ、何を得るのかもまた、鑑賞者次第。オラファー・エリアソンは、どこまでも開かれている。
この映画の日本公開にあたりオラファーは一切のインタビューを受けなかったと聞くが、それもうなずける。なぜなら、彼のアートに関する考え方から、影響を受けたもの、そして制作方法まで、すべてはここで示されているからだ。映画のなかで、オラファーは繰り返し作品が鑑賞者の参加によって完成することを語る。この映画から何を感じ、何を得るのかもまた、鑑賞者次第。オラファー・エリアソンは、どこまでも開かれている。
映画に登場するのはこんな作品です!
『オラファー・エリアソン 視覚と知覚』
デンマーク人監督によるオラファーのドキュメンタリー映画。家族といるときの穏やかな表情に人柄が覗く。2009年/77分。8月5日よりアップリンク、横浜シネマ・ジャック&ベティほか全国劇場ロードショー。