デヴィッド・ボウイとは誰だ? 待望の日本展ついにオープン! | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

デヴィッド・ボウイとは誰だ? 待望の日本展ついにオープン!

ロンドンを皮切りに世界を巡回してきた『DAVID BOWIE is』展がついに日本にやってきた! 音楽の枠にとどまらないデヴィッド・ボウイの、万華鏡のような世界をリアルに体感できる展覧会。9会場で約160万人を集めたモンスター企画の魅力をお伝えします。

デヴィッド・ボウイの本名はデヴィッド・ジョーンズ。彼がそう名乗るようになってから約半世紀、ボウイはその架空の人格を演じきった。展覧会では膨大なアーカイヴから厳選した約300点の資料から、彼がいかにして“デヴィッド・ボウイ”を作り上げていったのかに迫る。
「アラジン・セイン」ツアーのために山本寛斎がデザインしたステージ衣装。ボウイは1971年のロンドンのショーで山本寛斎の作品を見て、思い切ったデザインのステージ衣装を、と頼んだ。
会場では観客ひとりひとりにヘッドホンが渡される。エリアを移動するとヘッドホンから展示に合わせて自動的に音楽やインタビュー音声が流れる仕組みだ。視覚と聴覚で総合的にボウイの世界に浸れる。
山本寛斎デザインの「アラジン・セイン」ツアーのステージ衣装、「トーキョーポップ」ヴィニール・ボディスーツ。これを着て、額にチベット密教の「第三の目」からインスピレーションを得たメイクをしたボウイの写真もある。
まずはやっぱりファッションに注目だ。山本寛斎やアレキサンダー・マックイーンらファッション界の鬼才とコラボレーションした衣裳は単にステージやアルバムでボウイを飾るだけでなく、ツアーやアルバムごとに設定された世界観や物語を表現する重要な要素の一つになる。

中にはル・コルビュジエやテキスタイル・デザイナーとしても活躍していた画家、ソニア・ドローネーといった近代建築やデザインにインスパイアされたものも。ボウイがさまざまな方向に目を配っていたのがわかって面白い。
ル・コルビュジエのモジュロールが描かれたジャンプスーツ。
衣裳やメイクアップの中にはジェンダーレスなものも多い。自分はバイセクシャルだと発言したこともあるボウイはどことなく中性的な雰囲気を漂わせていた。その背景にはグスタフ・クリムトやダンテ・ガブリエル・ロセッティら、19世紀後半〜20世紀初頭に起こったラファエル前派や象徴主義の絵がある。

当時は女性の社会進出が進み、男を翻弄するファム・ファタル(運命の女)が盛んに描かれた。それまでの男に付き従う女性という伝統的な価値観をひっくり返したムーブメントだったのだ。ボウイは1973年の来日時には歌舞伎俳優の坂東玉三郎に女形の化粧を学んでいる。彼は男女の新しい関係性を体現している。