東京の新しい景色を見つける芸術祭が開催中。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

東京の新しい景色を見つける芸術祭が開催中。

『カーサ ブルータス』2021年9月号より

普段は作品が展示されるような場所ではないところにアートが出現。見たことのない街の表情が見られます。

宮永愛子『ひかりのことづけ』
〈湯島聖堂〉の中庭にガラスのオブジェが並ぶ。水がめに置かれたサヌカイトに水滴が落ち、涼しげな音を立てる。空からの光と雨で表情を変えるアート。撮影/ただ(ゆかい)
撮影/ただ(ゆかい)
歴史的建造物や看板建築(ファサードにだけ装飾がある主に商店の建物)などを会場に開催中の国際芸術祭『東京ビエンナーレ2020/2021』。絵画や彫刻のほか、オンゴーイング(制作過程を鑑賞するもの)、AR、オンラインのプログラムも含め、多彩な作品が登場する。
太湯雅晴『The Monument for The Bright Future TOKYO / 2021』
数寄屋橋公園に立つ岡本太郎のパブリックアートに「明るい未来」という文字を重ねる。原発の標語から抜き出した一文が複雑な状況を映し出す。撮影/ただ(ゆかい)
内藤礼『Praying for Tokyo 東京に祈る─「わたしは生きた」』
〈空蓮房〉(台東区蔵前4-17-14長応院内。予約制)。ヨコミゾマコト設計の空間と近くの親子地蔵に置いた作品で東京大空襲の記憶をつなぐ。撮影/畠山直哉
会場となった場所には一つずつドラマがある。廃業してしまった額縁店「優美堂」は長らく空き家になっていたが、粘り強く交渉し、貸し出してもらえることになった。中村政人はここで残されていた額縁と複製画をモチーフに作品を制作する。「海老原商店」は江戸時代から衣類を扱ってきた店舗。西尾美也はそこで服にまつわる作品やワークショップを行う。AR三兄弟がアーティストとコラボレーションしたAR作品では神田にかつてあった山が再現されたり、ビルの谷間に仏像が落ちてきたりと、歴史と虚構を行き来する感覚が楽しめる。
中村政人『優美堂再生プロジェクト ニクイホドヤサシイ』
廃業した額縁店「優美堂」(千代田区神田小川町2-4)を再生。「ニクイホドヤサシイ」は電話番号の語呂合わせ。ファサードはO JUNがペインティング。
西尾美也『着がえる家』
もと衣料品店だった「海老原商店」(千代田区神田須田町2-13-5)で服をテーマにして展示とワークショップ、制作した服の販売を行う。(c) 東京ビエンナーレ2020/2021 プレイベント
会場はかなり広いエリアに点在しており、全部で約50か所になる。余裕があれば数日かけてゆっくりと巡りたい。途中で古い建物や見慣れた橋などの意外な姿を発見することも。「見なれぬ景色へ」のテーマ通り、東京の街の知らなかった顔が見えてくる。

『東京ビエンナーレ2020/2021 見なれぬ景色へ』

アーティストの中村政人とクリエイティブディレクターの小池一子が共同代表を務める国際芸術祭。千代田区、中央区、文京区、台東区の施設や公共空間。〜9月5日。パスポート2,500円。個別鑑賞券(500円)も。開始日、時間、休日は会場により異なる。

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