青野尚子の「今週末見るべきアート」|妖怪が跋扈する日本の奇妙な風景。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS facebook-a facebook instagram line twitter youtube

青野尚子の「今週末見るべきアート」|妖怪が跋扈する日本の奇妙な風景。

日本で撮ったもののはずなのに、日本じゃないみたい。フランスの写真家、シャルル・フレジェが撮った日本の祭りの衣装は不思議な色と形とエネルギーに満ちている。銀座メゾンエルメス フォーラムでの個展のために来日した彼に聞いた。

左/「天狗」埼玉県白岡市小久喜 右/「女獅子」埼玉県白岡市小久喜
フレジェは世界各地で独特のコスチュームに身を包んだ人々を撮影している。クラシックなユニフォームで身を固めた宮殿や城を守る衛兵たち、「WILDER MANN」(野生の人)と呼ばれる獣の装束など、奇想ともいえる扮装をした人々の写真で大きな注目を集めた。本展「YÔKAÏNOSHIMA」(妖怪の島)は日本列島58か所で取材したもの。動物や鬼、天狗、何者か判然としないお化けのような衣装をとらえた写真が並ぶ。あわせて「WILDER MANN」からの作品も展示されている。
会場構成は若手建築家・松島潤平。起伏に富んだ日本の地形をなぞるようなインスタレーションを展開した。
「『WILDER MANN』を撮っていて、なまはげなど日本にも似たものがあると知ったのが『妖怪の島』を撮り始めるきっかけだった」とフレジェは言う。

「YÔKAÏNOSHIMA」では祭りや儀式の場ではなく、別の背景を設定して撮影している。雪景色や海、里山、建物の壁を背景にしたものなどさまざまだ。

「僕は民俗学者や人類学者ではないから、僕が関心を持ったコスチュームを僕が興味を持った背景で撮ることにした。祭りの衣装を自然の中に置くことで、僕なりの新しい解釈を示している」