ラジオ片手に温泉地を歩く。“見えないアート”体験とは? | カーサ ブルータス Casa BRUTUS
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アートが“聞こえてくる”スポットのひとつ〈塚原温泉 火口乃泉〉。〈塚原温泉 火口乃泉〉から湧き出る熱水は別府八湯すべての温泉源だとされている。活火山の伽藍岳火口を眺めていると、ラジオから”大地のおしゃべり”や何かの練習のような会話が聞こえてくる。
大分県別府市で2016年から始まった芸術祭『in BEPPU』は毎年1組のアーティストを招聘し、地域の特性を活かしたプロジェクトを行うというもの。これまで目、西野達、アニッシュ・カプーア、関口光太郎らが作品を展示してきた。今回、登場するのは梅田哲也。音楽、美術、舞台芸術など複数のジャンルを横断しながら活動しているアーティストだ。
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参加者はみな渡されたラジオにヘッドホンを装着し、付近を歩き回る。あるスポットに来るとラジオが受信して音が聞こえてくる。
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〈塚原温泉 火口乃泉〉にあるお社。
梅田の作品《O(ゼロ)滞》は別府市内の各所に散らばっている。地図を片手にその場所を訪れてみると、一見、何の変哲もなさそうな光景が広がっているばかりだ。けもの道しかない藪の中など、普段は人が立ち入らないようなところもある。

地図に記載されたスポットのひとつ、〈鶴見園〉はかつて「西の宝塚」と呼ばれた女優歌劇が演じられた大遊園地〈鶴見園〉の跡地。その後米軍のキャンプ地として接収され、接収解除後に建設されたレジャーセンターもわずか7年で廃業したという、紆余曲折を経た土地だ。船原山中腹にある落差60mの神秘的な〈乙原の滝〉は水音から名づけられた「音原」の地名がもとになっている。観光地である火山の噴火口〈塚原温泉 火口乃泉〉など、他では見られない珍しい光景もあるが、どのスポットでもアーティストが景色に手を加えているわけではない。
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〈鶴見園〉にある廃プール。水のないプールに”音”が隠れている。
地図に表示された複数の場所で、あらかじめ渡されたラジオにヘッドホンを装着すると何かが聞こえてくる。男女の会話だったり、詩のようなものの朗読だったり、お囃子のようなものだったり。雨か水の音が聞こえてくることもある。歩いて行くと音が途切れることもあるし、違う会話が聞こえてくることもある。同じ場所でも人によって聞こえたり聞こえなかったり、あるいは内容が異なることもあるのだという。それぞれ聞こえるポイントはけっこう離れていて、回るのは大変かもしれない。すべての音源を聞き取ったのかどうか確信が持てないまま、次へと進むことになる。

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