ゴールドラッシュの足跡を追った、石塚元太良の最新個展。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

ゴールドラッシュの足跡を追った、石塚元太良の最新個展。

世界を旅し各地のランドスケープを撮影し続けてきた、写真家の石塚元太良。彼の最新個展が、ギャラリー〈KOTARO NUKAGA〉で開催される。今回のテーマは、“ゴールドラッシュ”。米カリフォルニア州とニュージランドに残る、狂騒の日々の痕跡をカメラで追った。

《Gold Rush California #001》。ゴールドラッシュで栄えた街ボディに転がるシャフトのようなもの。かつて1万人ほどの人口を誇ったこの街も、金が掘り尽くされると数年でゴーストタウンと化した。
10代の頃からバックパッカーとして世界を旅し、大判フィルムカメラを用いて各地の風景を写真に収めてきた石塚元太良。2006年には、アラスカに広がるパイプラインを撮影した『Pipeline Araska』を発表し、大きな話題となった。

そんな彼の個展が、7月11日よりギャラリー〈KOTARO NUKAGA〉で開催となる。今回、彼が対象に選んだのは、“ゴールドラッシュ”。2011年にアラスカで初めてゴールドラッシュの遺物を撮影したことが契機となり、発祥の地であるアメリカはカリフォルニア州、そしてニュージーランドへと、ゴールドラッシュの痕跡を巡る旅は続いた。
《Gold Rush California #002》。ゴーストタウンとなったボディの風景。
《Gold Rush New Zealand #002》。ニュージーランドにおけるゴールドラッシュの発端となった、オタゴ州メイスタウン。金脈が発見されたこの山道は、現在トレイルルートとなっている。
今回はその〈ゴールドラッシュ〉シリーズから、2016年以降に撮影した新作を初公開。かつては栄華を極め、現在はゴーストタウンと化した廃墟の様子が、昔も今も変わらず圧巻の存在感を放つランドスケープと対比するように映し出され、かつての人々の営みが立ち現れるような感覚を呼び起こす作品となっている。

石塚が使用する8×10の大判フィルムも、この作品の大きな特徴の1つだ。緻密なピント調整によって撮影された作品群は、複数のポイントに焦点が当たり、実際に人の目から見える光景とは違った風景を現出させる。そして観る者は、まるで時空が歪んだように写し出されたその風景に、目を奪われてしまうのだ。石塚が遠く辺境の地にまで大判フィルムカメラを担いで撮影をする理由は、そこにある。

AIがあなたにおすすめ

※過去の記事も表示されます