ART
さようなら、クリスト。梱包するアーティスト、84歳で逝去。
June 4, 2020 | Art, Architecture | casabrutus.com | text_Megumi Yamashita editor_Keiko Kusano
建造物や自然を「梱包」してしまう壮大なインスタレーションで知られるクリスト&ジャンヌ=クロード。そのひとりであるクリストが、5月31日にニューヨークで亡くなった。クリスト&ジャンヌ=クロードの作品を振り返る。
コロナウイルス感染症の影響によって7月に開催が延期されたパリ〈ポンピドゥー・センター〉での展覧会『クリスト&ジャンヌ=クロード パリ!』。そのオープンを待たずしての旅立ちとなってしまった。
クリスト・ヴラディミロフ・ジャヴァチェフは1935年にブルガリアのガブロヴォで生まれた。1958年、モロッコ生まれのフランス人で同年同日に生まれたジャンヌ=クロード・ドゥナ・ドゥ・ギュボンと、パリで出会う。公私のパートナーとなったふたりは1961年より連名で作品を発表し始める。2009年のジャンヌ=クロードの他界後も、その形式は継続している。
クリスト・ヴラディミロフ・ジャヴァチェフは1935年にブルガリアのガブロヴォで生まれた。1958年、モロッコ生まれのフランス人で同年同日に生まれたジャンヌ=クロード・ドゥナ・ドゥ・ギュボンと、パリで出会う。公私のパートナーとなったふたりは1961年より連名で作品を発表し始める。2009年のジャンヌ=クロードの他界後も、その形式は継続している。
初のコラボレーション作品はオイルバレル(ドラム缶)を使ったもので、以来、このオイルバレルはしばしば作品に登場する。アラブ首長国連邦の砂漠に41万個のドラム缶を積み上げるという超巨大作品《マスタバ》は、1977年から継続して計画中だ。こちらはまだ建設の目処が立っていないが、2018年にはロンドン、ハイドパークのサーペンタイン湖上にその縮小版と言える《ロンドン・マスタバ》が3ヶ月限定で登場した。
「梱包」という方式は小さいものから始まり、次第にモニュメントや建造物を包んだり、自然の景観に布を敷き詰めたりと、規模が巨大化していく。コロラドの渓谷にオレンジの布を張った《ヴァレー・カーテン》(1970−72)、マイアミ沖の11の島をピンクの布で囲んだ《囲まれた島》(1983)、パリの橋を乳白色の布で覆った《ポン・ヌフの梱包》(1985)などで広く知られるところとなる。1991年には茨城県に1340本の青色の傘、カリフォルニアに1760本の黄色い傘を立てるという《アンブレラ》が実現する。
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