銀座に「かたちのない建築」が出現? 吉岡徳仁インタビュー。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

銀座に「かたちのない建築」が出現? 吉岡徳仁インタビュー。

〈GINZA SIX〉の吹き抜け空間では、吉岡徳仁によるインスタレーション《Prismatic Cloud》が展示中! 1万本のプリズムが商業空間に浮かぶ、史上初の試みをどう実現したのか? 吉岡さんに聞いてみました。

1万本のプリズムロッドが生み出す、全長10mの巨大な光の彫刻。photo_Ken Kato
休憩できるソファ付近には、間近でプリズムを見ることができるスポットも。
過去には草間彌生、ダニエル・ビュレン、ニコラ・ビュフ、塩田千春、クラウス・ハーパニエミといった世界の名だたるアーティストの作品を展示してきた〈GINZA SIX〉の吹き抜け空間。2020年の新作は、吉岡徳仁が手がけた《Prismatic Cloud》だ(現在〈GINZA SIX〉は当分の間、臨時休業中。最新情報は公式サイトでご確認を)。

この作品、実はアメリカ・ヒューストンの〈アレンセンター〉で2017年に発表したものを、〈GINZA SIX〉のためにアレンジしたもの。1万本のプリズムロッドから成る全長10mの巨大な光の雲は、鑑賞者の位置によってさまざまに煌めき、壮大な自然のエネルギーを感じさせてくれる。その気になる制作の裏側について、吉岡に話を聞いてみた。

Q これまでの作品でも自然の原理をモチーフにされていますが、その中で今回“光の雲”を選んだ理由はなんでしょうか?

自然を見て感じるのは、ただ綺麗というだけじゃなくて、力強さがあるということ。そうした綺麗だけでは終わらないものを作り出すことで、初めて本当の美しさが表現できると思っています。なので、まず自然のエネルギーをテーマにしたかった。

中でも雲は、都内でも有数の〈GINZA SIX〉の巨大な吹き抜け空間に一番合っていたし、2020年という節目の年にみなさんが希望を持てるものにしたいと考えたとき、光を使ったものにしようと決めました。
プリズムは、周りを囲む店舗の光を反射して煌めく。鑑賞者の位置によって次々と見え方が変わる光の雲は、エスカレーターが多い〈GINZA SIX〉で作品の魅力を最大限に発揮する。
Q 1万本のプリズムを重ねた今回の作品は制作、設置ともに難しそうですが、どのように実現したのでしょうか。

2017年にヒューストンで展示した作品の基本構成はそのままに、巨大な〈GINZA SIX〉の空間でプリズムが周囲の光とどう作用するのか、100パターンほどシミュレーションを重ねました。3Dでプリズム一本一本の位置を調整しながらベストな光の見え方を探っていくのですが、〈GINZA SIX〉の空間は元から存在する商業施設の光が作用するため、これまでのプリズム作品の中でも特に苦戦しました。

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