空前絶後のレオナルド・ダ・ヴィンチ展、ルーブルで開催中! | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

空前絶後のレオナルド・ダ・ヴィンチ展、ルーブルで開催中!

パリの〈ルーブル美術館〉で現在開催中の『レオナルド・ダ・ヴィンチ』展は没後500年を記念する大規模回顧展。同館が所蔵する5点の着彩画に加え、世界中の美術館から貴重な作品を集めて「万能の天才」の実像に迫ります!

『レオナルド・ダ・ヴィンチ』展はピラミッド下の特設会場で開かれているが、《モナ・リザ》のみ通常の展示室に置かれている。
1452年に生まれ、1519年、67歳で没したレオナルド・ダ・ヴィンチ。当時としては長命だが、残された絵画作品は思いのほか少ない。研究者によって数は変わるが、おおむね15点前後とされている。〈ルーブル美術館〉で開催中の没後500年記念『レオナルド・ダ・ヴィンチ展』ではそのうちのおよそ3分の2を集めている。さらには手稿や素描、着彩画の赤外線写真や模写、弟子たちの作品も。レオナルドが何を成し遂げたのかを包括的に見せる、大規模な回顧展だ。

本展では〈ルーブル美術館〉が所蔵する5点を始めとする着彩画がハイライトだが、素描の流麗な線や、幾何学や天文学の探究を記録した手稿の几帳面な図や文字も見逃せない。現在残された手稿は4000枚ほどあり、ここに展示されているのはそのごく一部なのだが、それらを見ていくだけでも圧倒されるものがある。
《ブノワの聖母》。人物の表現にやや硬さが残る初期の作だが、親子の情愛に溢れている。
最初に登場する着彩画は《ブノワの聖母》だ。〈エルミタージュ美術館〉に所蔵される前の所有者の名前から、この名で呼ばれている。幼子をいとおしげに見つめる母の表情はごく自然で、光輪(ニムブス)がなければ聖母子とは思えないほど。が、マリアが手に持つ花は十字架の形をしている。後のイエスの運命を予告しているのだ。
《聖ヒエロニムス》大きく伸ばした腕に自らを打つための石を持つ。全身の筋肉が緊張しているのが感じられる。
次の展示室には《聖ヒエロニムス》《ラ・ベル・フェロニエール》《音楽家の肖像》《岩窟の聖母子》が並ぶ。《聖ヒエロニムス》は未完であり、署名もないが、聖人の筋肉の描写など、レオナルドでなければ描き得ない域に達している。聖ヒエロニムスは聖書をラテン語訳したとされる人物だ。ここでは荒野で彼が修行しているときに性的な誘惑にかられた自らを戒めるため、手にした石で自らの胸を打つというシーンを描いている。長い間行方不明だったこの絵が見つかったとされる経緯も劇的だ。ナポレオンの叔父にあたる人物が、顔の部分が切り取られた状態のものを見つけ、残りを捜索したところ靴屋の椅子の座面に貼り付けられていたという。