ゲルハルト・リヒターの新作が六本木で公開中。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

ゲルハルト・リヒターの新作が六本木で公開中。

世界のアートシーンを牽引するドイツ人作家、ゲルハルト・リヒター。彼の新作『PATH』が〈ワコウ・ワークス・オブ・アート〉で公開中だ。

『PATH』[Editions CR: 176], 2018 Pigment print with scratches, 23 x 15 cm (image), ed. 19/25 (c) Gerhard Richter , Courtesy of WAKO WORKS OF ART
今回、展示されるのは『PATH』と名付けられたエディション。イタリア北部・マッジョーレ湖畔にある美しい森の小径を撮影したインクジェット写真24枚に、1つずつ異なるひっかき傷をつけた作品群だ。インクジェットプリントにスクラッチ痕を施すという制作方法は、リヒターが初めて用いる表現。インク紙に傷をつけ、森の中から真っ白な紙を表出させることで、イメージのあり方を問いかける。

リヒターはイメージへの追求をテーマに制作を行っており、これまでにも、油彩画作品の中で絵の具を削ぐ、削るといった手法を使って、カンバスを暴き出す試みを行っている。今作は、紙とインクという新たな関係性の中でイメージの追求を実践しようとする。
『8 Glass Panels』[CR: 928], 2012 Glass and steel construction, 220 x 160 x 350 cm (c) Gerhard Richter , Courtesy of WAKO WORKS OF ART
また、写真作品と合わせて、2012年に発表したガラス立体作品『8 Glass Panels』も登場。8枚のガラス板をそれぞれ違う角度で設置した大型作品で、空間の中央に鎮座する。リヒターにとって、ガラスとは光を反射し、透過させるものであり、写真と同様にイメージの実態を問うひとつの手掛かり。美しい森の風景写真が8枚のガラス板をぐるりと囲む空間に身を置くと、イメージの表出と消失という複合的な問いを投げかけられているようだ。

ゲルハルト・リヒター 『PATH』

〈ワコウ・ワークス・オブ・アート〉
東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル3F TEL 03 6447 1820。〜6月1日。11時〜19時。日月祝休。入場無料。