マウントフジアーキテクツスタジオ:傘のような吊り屋根が大空間と大開口を実現。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

マウントフジアーキテクツスタジオ:傘のような吊り屋根が大空間と大開口を実現。

差し出した傘の下に、四方八方から人が集まってくる。そんな空間を支えているのは大黒柱と4本の梁。日本の民家がもつ知恵も生かした伸びやかな住宅です。

傘の家 設計:マウントフジアーキテクツスタジオ/原田真宏+原田麻魚

建築家が両親のために建てた平屋。南面には約18Mの大開口と、大きな庇をもつ三角形の縁側がある。方形屋根の内側が下の写真。

開いた傘の下に家族が集います。

高さ約7Mの大黒柱と4本の登り梁が、傘を広げたような形で大空間をつくっている。ロフトの天窓から屋根に上ることもできる。
「大きな傘を開いて差し出したら、みんなその下に入りたくなる。傘の内側で一緒に過ごせば、家族も友人も自然にまとまっていく。そういう家を考えました」

静岡県焼津市の住宅街に建つ〈傘の家〉は、原田真宏と麻魚によるマウントフジアーキテクツスタジオの新作。真宏が育った実家を、両親のために建て替えた平屋住宅だ。すぐ隣には自然豊かな森林公園があり、週末には原田夫妻も子供を連れて訪れる。3世代が集まってなお広く感じられる空間には約18Mの開口があり、父が丹精込めて手入れした庭を眺められる。「生活していて、気持ちいいなと感じる瞬間がしょっちゅうあります」と母は言う。

この大空間や大開口を可能にしているのが、吊り屋根構造。傘を広げたときのように、4本の登り梁を真ん中の大黒柱が突き上げる形で屋根を支えている。

「外壁も多少はありますが、主構造はあくまで大黒柱と登り梁。つまり、壁は自由な場所に配置できるし、開口を大きく取ることもできるんです」と麻魚。例えば、ガラス開口の外に張り出す三角形のテラス。大屋根がそのままキャンティレバー状の庇になり、深いところで3Mもある軒下をつくっている。夏は日差しをしっかりと遮り、冬は室内の奥にまで暖かな光を届ける工夫だ。
食卓につくと、大きな開口から庭が見える。