水辺に建つ現代建築を、ミース賞でたどる展覧会。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

水辺に建つ現代建築を、ミース賞でたどる展覧会。

スペインの〈バルセロナ海洋博物館〉で、ミース・ファン・デル・ローエ財団とのコラボによる、ヨーロッパのウォーターフロントに建つ優れた現代建築を集めた展示が開催中。

海辺、そして川岸に建つ建築といえば、かつては港や工業のための建築など実利インフラ的なものが中心だったが、特に20世紀後半から21世紀にかけて「水辺」という立地の贅沢さ、眺めの美しさ、気持ちの良さがレクリエーションとして不動産価値を大きく高め、都市の景観を徐々に変化させていった。この展示の会場都市であるバルセロナも、1992年のオリンピック開催まではビーチが無く、現在あるものはすべて人工砂浜である。海辺はいわば街の「裏面」として捉えられていたというから、その変化には驚くばかりだ。
バルセロナ、リスボン、マルセイユなど都市ごとのウォーターフロント事情が解説されている。
66作品をパネルと模型で展示。
この建築展は、ミース・ファン・デル・ローエ財団が主催するヨーロッパ現代建築賞(ミース賞)の30年におよぶ受賞作品の中から水辺をテーマとした作品を集めたものである。海と都市をダイレクトにつなぐランドスケープ建築として名作となったスノヘッタ設計の〈オスロ・オペラハウス〉(2009年大賞)やラファエル・モネオの傑作〈クルサール・センター〉(2001年大賞)、湖畔に並ぶ集合住宅、ノイトリング・リーダイクの〈スフィンクス〉(2005年ショートリスト選出)、BIGのビャルケ・インゲルスが、かつてジュリアン・デ・スメドと共に〈PLOT〉というユニット名でコペンハーゲンに建てた〈マリティム・ユース・ハウス〉(2005年ショートリスト選出)などは、水と建築の親密な関係が分かりやすい事例だ。

またOMAの〈デ・ロッテルダム〉(2015年ショートリスト)やドミニク・ペローの〈フランス国会図書館〉(1996年大賞)なども、川辺という立地と眺望、そして対岸からそれらの建築を眺められるというイメージなくしては成立しえない建築であり、都市において水辺に建つ建築というのは実は高層建築に負けないほど、街の顔や印象をつくる重要な存在だと言えることにあらためて気づかされる。

AIがあなたにおすすめ

※過去の記事も表示されます