ARCHITECTURE
自然の中に不自然を作り出す石上純也の〈水庭〉。
『カーサ ブルータス』2018年10月号より
September 6, 2018 | Architecture, Art, Travel | window on the world | text_Naoko Aono
栃木県那須の〈アート・ビオトープ那須〉はホテルやカフェ、ガラスと陶芸のスタジオを中心に、自然の中でアートとともに時を過ごせる場だ。このアート・ビオトープに石上純也がデザインした「水庭」が生まれた。
水田や牧草地として使われていた場所に、隣接する雑木林から伐採される予定だった300本以上の木を移植、大小160の池を設え、苔を植えている。池は地下の導水管でつながっていて、近くの水源からの水を循環させている。
どのポイントから見ても重ならないよう、樹種や位置を検討した。木は季節によって姿を変えるが、池の形は変わらない。鳥や蛙がやってくる中、敷石や小石が敷かれた道を散策していくと景色が次々に移り変わるのも楽しい。水面に映る景色も変化していく。人工的に作られた風景が自然と人との新しい関係性を示唆する。
〈アート・ビオトープ那須〉
栃木県那須郡那須町高久乙道上2294-3 TEL 0287 78 7833。見学は予約制、平日13時30分〜、土・日・祝11時〜/14時〜。「水庭」鑑賞ツアー(約40分)+「ギャラリーカフェ」でのティー2,160円、「水庭」鑑賞ツアー+「ギャラリーカフェ」でのランチ4,320円。