体感してこそわかる名作の味わい深さ。 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

体感してこそわかる名作の味わい深さ。

メルセデスSクラスの背後に威風堂々と屹立するのは、黒川紀章が初期に手がけたモダニズム建築の傑作。クルマと建築、マスターピースの豪華セッションを楽しむ。

威圧感をひかえたボディデザイン。
フォーマルカーの代名詞であるメルセデスSクラスだが、なにも取材先がお役所だから選んだわけではない。黒川のマスターピースに対して遜色ない内容を持つゆえである。単にショーファードリブンカーの枠に収めてしまわず、ドライバーズカーとしての評価がもっと高まってほしいと思う。

取材車は日本では珍しいディーゼルハイブリッド。ガソリン仕様・大排気量多気筒のゴージャス版ではないのだが、大人の風格はまったく損なわれていない。と同時に繊細極まりない気遣い・心遣いをあらゆるところに感じさせもする。往路の東北道では激しい豪雨の中をかいくぐるように進んだが、懐深い安心感に救われる気がした。多くのメルセデス車に共通する特徴はこうしたクールさにあるわけだが、Sクラスには特別のご褒美よろしく素晴らしい味わいが付いてくる。蜜のような乗り味と言っていい。今回も2時間ほど走って身体がクルマに慣れたころ、やっぱりそれが訪れてきた。乗るたびにズルいなあと思ってしまうのだが、これがメルセデスを代表するクルマに託した彼らのメッセージなのだろう、とも考えられる。
インパネ中央の液晶が横長大画面なのも今日的。

巡礼車:メルセデス・ベンツ S 300h

日本初のディーゼルハイブリッド車。車内ではディーゼル音はほぼ聞こえず、たった2.2リッターの排気量とは思えぬ力強さを感じることができる。細かなところまで最新技術がテンコ盛りで導入されており、トータルのまとめ方、仕上げ方の巧さに唸らされる。9,980,000円(メルセデスコール TEL 0120 190 610)。

巡礼地:寒河江市庁舎

設計/黒川紀章。1967年竣工。5階建てのうち3階以上を4本のコアによって吊る構造とすることで外側に大きくせり出した形を実現した。2013年には免震工事を終了、今後も長くこの建築を現役で活用しようという市民の心意気が嬉しい。●山形県寒河江市中央1-9-45 TEL 0237 86 2111。

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