VEHICLE
デザイン心機一転のルノーで、ほとんどアートの礼拝堂へ。
October 3, 2014 | Vehicle, Architecture | Driven By Design | text: Hiroki Iijima photo: Tatsuya Mine
狭山丘陵、トトロの森へと連なる霊園に小さな礼拝堂が建った。若き建築家と現場の職人たちが丹精込めたアート的建築である。明朗快活なフレンチデザインが霊園の一角にこんなに似合うとは。
狭山湖の隣、緩やかな丘陵地にある霊園の礼拝堂である。墓地の中央にランドマーク然とあるわけではない。敷地の境界ぎりぎり、ここから先はナショナルトラストの〈トトロの森〉だという所に静かに建っている。内外装ともに大変な手間のかかった建築物だ。ドーム様の天井から四方八方に木質のドレープが下りてくるような内観はとても心地よい。そのドレープをなす一枚一枚の板で細長い二等辺三角形をつくり、それが束ねられて太い柱となる。この場でひとつひとつ三角に組んでは立ち上げ、塔を形づくっていったのだ。
そして外壁の仕上げもまたスゴい。アルミ板を多数張り合わせているのだが、それが何とアルミの鋳物なのだ。川口市の鋳造職人に頼んで開発に1年半かかったという。この礼拝堂はつまりアート作品の制作過程を経ていると言ってもいい。
さてクルマはルノー・キャプチャーというコンパクトSUV。新しいルーテシアの兄弟車で、ルノーとしては初の小排気量直噴ターボエンジンとツインクラッチ変速機の組み合わせを採用したことがいちばんのニュースだ。フォルクスワーゲンのTSI(エンジン)+DSG(変速機)と同じ技術と考えていい。ヨーロッパでのCO2規制は日本よりはるかに厳しく進行中で、自動車産業全体が追い詰められているのだが、それへの対策がようやくルノーでも実現したわけだ。フランス車ファンもこれでひとまずホッとできる。
日本ではハイブリッドなど動力を電化していく方向性が主流だが、ヨーロッパでは限界まで内燃機関の可能性を追求し、省燃費・CO2削減をかなりの高水準で実現してきた。だが、こうしたエコ性能よりも、VWやルノーの技術がクルマの走りそのものを一気に向上させたことのほうが大きい。エンジンは5割近くパワフルになり、瞬間的なシフトチェンジが可能な変速機のおかげで以前よりスポーティーに走れるようになったのだ。当然ルノーの乗り味も大きく変わった。例えばこのキャプチャーならば、ボディデザインやカラーに似つかわしい明るさ、楽しさをストレートに感じさせるクルマになっている。
そして外壁の仕上げもまたスゴい。アルミ板を多数張り合わせているのだが、それが何とアルミの鋳物なのだ。川口市の鋳造職人に頼んで開発に1年半かかったという。この礼拝堂はつまりアート作品の制作過程を経ていると言ってもいい。
さてクルマはルノー・キャプチャーというコンパクトSUV。新しいルーテシアの兄弟車で、ルノーとしては初の小排気量直噴ターボエンジンとツインクラッチ変速機の組み合わせを採用したことがいちばんのニュースだ。フォルクスワーゲンのTSI(エンジン)+DSG(変速機)と同じ技術と考えていい。ヨーロッパでのCO2規制は日本よりはるかに厳しく進行中で、自動車産業全体が追い詰められているのだが、それへの対策がようやくルノーでも実現したわけだ。フランス車ファンもこれでひとまずホッとできる。
日本ではハイブリッドなど動力を電化していく方向性が主流だが、ヨーロッパでは限界まで内燃機関の可能性を追求し、省燃費・CO2削減をかなりの高水準で実現してきた。だが、こうしたエコ性能よりも、VWやルノーの技術がクルマの走りそのものを一気に向上させたことのほうが大きい。エンジンは5割近くパワフルになり、瞬間的なシフトチェンジが可能な変速機のおかげで以前よりスポーティーに走れるようになったのだ。当然ルノーの乗り味も大きく変わった。例えばこのキャプチャーならば、ボディデザインやカラーに似つかわしい明るさ、楽しさをストレートに感じさせるクルマになっている。
巡礼車:ルノー・キャプチャー INTENS
ルノーではこの新型ルーテシア/キャプチャーからデザインのトップがP・ルケマンからローレンス・ヴァン・デン・アッカーに変わった。サイドボディのうねりの強さ、遠くから一発でルノーとわかるフロントマスクが新しい。次世代のトゥインゴ、メガーヌがどんな形になるか楽しみ。2,672,000円(ルノー・コール TEL 0120 676 365)。
巡礼地:狭山湖畔霊園 礼拝堂
設計/中村拓志&NAP建築設計事務所。「宗旨宗派は不問」をうたう霊園ゆえ礼拝堂内に十字架も仏像もない。施主や設計者としては背景の森への祈りを大切に、との発想で建てたという。同霊園の霊園管理休憩棟も同じ設計者の作品。こちらもアート的こだわりに満ちた力作。 ●
埼玉県所沢市大字上山口2050 TEL 04 2922 4411(水曜休)。