VEHICLE
柔らかな質感の図書館にネーミングの光るワゴンで。
May 13, 2014 | Vehicle, Architecture | Driven By Design | text: Hiroki Iijima photo: Tatsuya Mine
木材の街、埼玉県飯能市に去年開館したばかりの図書館。 木質の柔とガラスや鉄骨のキリッとした感触の絶妙なバランス。 クルマは中身も凄いが、懐古的ネーミングに惹かれるAMGだ。
日ごろ図書館には縁のない人でも、静かな住宅地の一角がこんなふうに発光していたら、それこそ虫のように誘い込まれてしまいそうだ。夜の帳が下りてなお外界に開かれている図書館、というのも文化の味わいがあっていい。
飯能は奥多摩、秩父などの山並みを控えた街なので林業が盛んな土地だ。丸い柱や天井の化粧板などは西川材と呼ばれる地元産の木材を使用。書架をはじめ調度類も、西川材ではなくともほとんどが木質で、アットホームな雰囲気に満ちている。図書館としての機能とこの館の規模に建物のデザインがよく調和して心も落ち着く。
ここの特色はスマホで本の予約や情報収集などができる"カーリルタッチ"というシステムを日本で初めて本格導入したこと。「図書館のテーマパーク化を図りたい」(館長)という路線への重要な伏線となりそうだ。
ここの特色はスマホで本の予約や情報収集などができる"カーリルタッチ"というシステムを日本で初めて本格導入したこと。「図書館のテーマパーク化を図りたい」(館長)という路線への重要な伏線となりそうだ。
今回のクルマはメルセデスベンツのCLSシューティングブレーク(AMG版)。初代CLSは、高級車の世界に背の低い4ドアボディというトレンドをもたらし大成功した。今では「4ドアクーペ」という呼び方が一般的になり、VWもBMWも同様のモデルを出してきている。このクルマは2世代目CLSのワゴンだが"シューティングブレーク"と銘打って登場した。カッコもいいが、この車名にはクラっと来てしまった。
つまりは狩猟のためのワゴンである。猟銃数丁と猟犬だけを載せればいいワゴン。当然、実用ワゴンのような大きな荷室はいらない。いや、本当はセダンでも十分に足るのだが、そこはそれ昔のイギリス上流階級の洒落やこだわりというもので、むしろ飛びきりの高性能GTとかスポーツカーなどをわざわざカスタマイズして狩猟専用に仕立てた、という経緯がある。
クルマの歴史の中でもこんなにわがままで贅沢なものはないと思う。ドライブのお供は愛犬のみ、横に大切な女性を乗せてというのでもなく、猟への行き帰りは一人で好きなだけ飛ばして気持ちよくなればいい、という孤高のエゴイズムに応えるクルマ。21世紀の上流階級事情は往時のイギリスとは違うだろうが、今回はベンツのネーミングに拍手、ということで。
つまりは狩猟のためのワゴンである。猟銃数丁と猟犬だけを載せればいいワゴン。当然、実用ワゴンのような大きな荷室はいらない。いや、本当はセダンでも十分に足るのだが、そこはそれ昔のイギリス上流階級の洒落やこだわりというもので、むしろ飛びきりの高性能GTとかスポーツカーなどをわざわざカスタマイズして狩猟専用に仕立てた、という経緯がある。
クルマの歴史の中でもこんなにわがままで贅沢なものはないと思う。ドライブのお供は愛犬のみ、横に大切な女性を乗せてというのでもなく、猟への行き帰りは一人で好きなだけ飛ばして気持ちよくなればいい、という孤高のエゴイズムに応えるクルマ。21世紀の上流階級事情は往時のイギリスとは違うだろうが、今回はベンツのネーミングに拍手、ということで。
巡礼地:飯能市立図書館
設計/石本建築事務所。閲覧室は'階のみ、2階は回廊風なスペースに学習コーナーなどがある。西川材の丸柱を26か所に配して屋根を支え他の鉄骨やコンクリートの構造体と融和的に一体感を作り出している。社会人席がホテルのロビーのようで心地いい。
埼玉県飯能市山手町19-5 TEL 042 972 2114。月曜・毎月最終金曜休(祝日は開館)。巡礼車:メルセデスベンツCLS 63AMG シューティングブレーク
それでなくても十分に速いメルセデスを大排気量化によって恐るべき性能を持たせたのがAMGだ。かつてはただ速いだけのような印象だったが、その大パワーを緻密に制御してドライバーを楽しませるクルマにまで進化した。競合高級車ブランドとの切磋琢磨の成果だろう。16,800,000円(メルセデスコール TEL 0120 190 610)。