石上純也が、メルセデス新型Eクラス クーペで紅葉の〈水庭〉へ。 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

石上純也が、メルセデス新型Eクラス クーペで紅葉の〈水庭〉へ。

新たな建築の実現によって未知の体験を生み出す建築家、石上純也。2018年に完成した〈アートビオトープ那須〉の〈水庭〉を、美しいフォルムと世界最高水準の安全性能、そしてAR(オーグメンテッド・リアリティ)を駆使したナビゲーションなど、最新技術を備えたメルセデス・ベンツのEクラス クーペとともに訪れた。

石上純也と探るメルセデス・ベンツ Eクラスの革新性。

Eクラス クーペに乗り込み、デジタライズされた車内に驚く石上。
丸みのあるテールランプと、曲線が強調された後部が美しいという。
正面はシャープだが、後部は流れるようなルーフライン。石上はそれを「ふわりとオーガニックなフォルム」と表現。
メルセデスらしくシンボライズされたフロントグリルも好評価。

クーペらしい、なめらかな曲線を描くEクラス クーペの後部。
新型Eクラス クーペは、メルセデス・ベンツのクーペが持つ伝統的プロポーションである流れるように美しいルーフライン、大胆で力強いリアエンドを引き継いでいる。控えめでシンプルなラインと官能的な表情、そして陰影の効果によって優美でエレガントなエクステリアを表現するとともに、スポーティかつ力強さも強調している。

Eクラス クーペに乗り込んだ石上は、まずそのソリッドな感覚が好きだと話し始めた。

「ここまでデジタル化が進んでいるんですね。僕自身はクラシックなクルマに乗っていて、古い技術にも魅力を感じるし、新しい技術にも惹かれます。どちらも魅力があり、それぞれに体験がまったく違います。Eクラス クーペはまず、空間造形が進化していることに驚きました。今後さらにデジタル技術が進んでいくと、この空間はさらに進化するのでしょうか。現代のクルマの形を探ったひとつの完成形がEクラス クーペには感じられます」

石上は、「ランドスケープは僕の専門分野ではありません。だからこそゼロから向かい合い、建築家として何ができるかを強く意識します。自分のつくったことのないものをつくりたい。形骸化し、手法化することができないやり方をいつも選びたいんです」という。そのような挑戦の姿勢をメルセデスにも感じたようだ。1886年から始まったメルセデス・ベンツの歴史の中で最も重視してきたのは、「人の命よりも大切なものは無い」という思想であり、実に130年以上人間を見つめ、安全を追求し続けてきた。その挑戦の結晶である最新の安全運転支援システムをEクラスの全てのモデルで標準装備し、歩行者や飛び出し検知機能である「アクティブブレーキアシスト」に加え、右折時の対向車検知機能が追加されている。

「フロントグリルがシンボライズされているのもいいですね。古いクルマは馬に乗っているかのような一体感がありますが、Eクラス クーペはステイブル、安定感があって、風景とともに空間を移動する建築のような感覚があります。クルマの楽しさをどこに求めるかはいろいろな意見があるでしょう。けれど、そのなかでも安定性と快適性を追求して生まれた美しい内部空間。かつてのクルマが鎧や衣服だとすると、いまは空間ですね。より内部空間での過ごし方を考えていきたい」
Eクラス クーペで那須高原をドライブ。そのなめらかな走り出しに感嘆する。
よく運転をするという石上。Eクラス クーペのドライビングはスムーズで心地よいと評価する。
AR機能によりスムーズなドライビングをサポートする。対話型インフォテインメントシステムMBUXも搭載。また、手のジェスチャーでリーディングライトのオンオフなども行える。
美しいデザインのステアリングは、「機能が集約され、非常に使い勝手がいい」と石上。
また石上は、Eクラス クーペを「技術の結晶」と表現する。

「プロダクトとしての凄みを感じる。車はあらゆるプロダクトのなかでもっとも空間的で建築的な存在ではないでしょうか。建築は一品モノですが、これを量産化できるのはすごい。建築よりも早い進化を感じます。僕が乗っているクルマよりも、走り出しが柔らかく軽やか。負担がなく、計器類も見やすい。もはや僕たちの日常にPCやスマートフォンは欠かせません。生活に入り混じり、フィットしています。であれば、クルマにおける正当な進化ではないでしょうか。PCを開くように車が走り出すのを感じます」

ル・コルビュジエはかつてクルマをデザインし、船をデザインした。サヴォア邸などに見られる横長の連続水平窓は船を思わせると石上は言う。

「かつて乗り物と建築はもっと近いところにありました。自動運転技術の発展などでクルマはより過ごし方、滞在する時間を重視するようになっていくことでしょう。屋内外をシームレスに繋ぐ、境界線のない空間。Eクラス クーペにはその魅力を感じます」

メルセデス・ベンツ Eクラス クーペ

セダン、ワゴンに続き、カブリオレとともに10月5日に発売された新型《Eクラス クーペ》。フロントデザインは、最新のメルセデス・ベンツのスポーティモデルに共通するデザインを受け継ぎ、シャープでダイナミックな印象。クーペは、流れるような美しいルーフライン、そのラインの先にある力強いリアエンドが特徴。控えめかつ官能的、という二つの面を表現している。今回登場したのは、E 300 クーペ スポーツ 9,190,000円〜(税込み) 問合わせ先 メルセデスコール TEL0120-190-610

水庭

2018年6月竣工。設計:石上純也。那須高原の横沢にあるカルチャーリゾート〈アートビオトープ那須〉の中に作られたボタニカルガーデン。敷地内のホテル建設地で伐採される予定だった樹木を、牧草地だったスペースに移動して新しいランドスケープを設計した。アートビオトープ那須 栃木県那須郡那須町高久乙道上2294-3 〈水庭〉の見学には予約が必要。https://www.artbiotop.jp/water_garden/

石上純也

いしがみじゅんや 1974年、神奈川県生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻修士課程修了。妹島和世建築設計事務所勤務を経て、2004年に石上純也建築設計事務所設立。主な作品に、神奈川工科大学KAIT工房、Vijversburgビジターセンター(オランダ)など。2018年、パリのカルティエ現代美術財団で「Freeing Architecture - 自由な建築」展開催。2019年、ロンドンのサーペンタインギャラリーパビリオンを設計。日本建築学会賞、第12回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展金獅子賞、毎日デザイン賞など、受賞多数。

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