VEHICLE
Chill CARS|デザインを通して市場を開拓した、社運を賭けたクルマ。
『カーサ ブルータス』2020年4月号より
March 17, 2020 | Vehicle, Design | Chill CARS | photo_Futoshi Osako text_Fumio Ogawa illustration_Daijiro Ohara
常識を少し覆したクルマだ。ハッチバックは機能性が最重要視され、通勤、家族旅行、商用と、広い用途に使うため4ドアが定石だった。しかし仏〈プジョー〉は、1983年に発売した《205》に、スタイリッシュな2ドアを用意した。
それまで実用一点張りともいえるクルマばかり手がけてきた〈プジョー〉。70年代後半になると販売で苦戦していた同社にとって、デザインを通して新しい市場を開拓しようと思い切った、起死回生策だったといわれる。
全体に丸みを帯びた軽快なスタイルで、かつ、個性的な2ドア。リアクォーターウィンドウはわざと小さく、前席重視のイメージを強調。目論見はあたり、クルマのパーソナル化が進んでいた当時、欧州でおおいに歓迎された。
ほぼ同じタイミングで、《205ターボ16》というラリーマシンを開発し、「世界ラリー選手権」にも参戦。85年と86年に選手権を獲得している。スポーティなのは雰囲気だけでないと示したのだ。
80年代には高性能の《205GTI》が、日本を含めて、クルマ好きの垂涎の的に。一方ノーマルのモデルは、操縦性がよく、同時にソフトな乗り心地と、クッション性のいいシートなど、スピードでなく快適性で秀でていた。
当時のユーザーが欲しかったものが、いろいろな形で盛り込まれていた。それで大ヒット。〈プジョー〉を破産の危機から救った。全長3.7mしかない小型車だが、その存在感は大きい。
全体に丸みを帯びた軽快なスタイルで、かつ、個性的な2ドア。リアクォーターウィンドウはわざと小さく、前席重視のイメージを強調。目論見はあたり、クルマのパーソナル化が進んでいた当時、欧州でおおいに歓迎された。
ほぼ同じタイミングで、《205ターボ16》というラリーマシンを開発し、「世界ラリー選手権」にも参戦。85年と86年に選手権を獲得している。スポーティなのは雰囲気だけでないと示したのだ。
80年代には高性能の《205GTI》が、日本を含めて、クルマ好きの垂涎の的に。一方ノーマルのモデルは、操縦性がよく、同時にソフトな乗り心地と、クッション性のいいシートなど、スピードでなく快適性で秀でていた。
当時のユーザーが欲しかったものが、いろいろな形で盛り込まれていた。それで大ヒット。〈プジョー〉を破産の危機から救った。全長3.7mしかない小型車だが、その存在感は大きい。
country: France
year: 1983-98
seats: 5
size: L3,705×W1,570×H1,375mm
price: approx 1,000,000 yen
special thanks to COLLEZIONE(TEL 03 5758 7007)
※データと価格は、撮影車両を参考に算出したものです。
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