PR

TAKUMI-NO-ICHI〈匠市〉で出会う“一生もの”。デザインのいい
伝統工芸・15選。

100年以上の歴史を誇る、精緻な職人の手技による国指定の「伝統的工芸品」。確かなものづくりの知と技が融合した伝統的工芸品は、暮らしに寄り添い、長く使い続けることができる“一生もの”だ。日本が誇る逸品を、より身近に、そして多くの人に届けるために、伝統的工芸品の指定を受けた産地によるオンラインショッピングモール〈工芸百貨 匠市(たくみのいち)〉がオープン。匠市が取り扱う幅広いコレクションのなかから、いますぐ暮らしに取り入れたい15アイテムをセレクトした。

  • photo_ Naoki Seto
  • styling_ Yumi Nakata
  • text_ Hisashi Ikai

Tools

新調したい
“暮らしの工芸”。

技術が際立つ伝統的工芸品だが、すべて暮らしのためにつくられた日用の道具。触れるほどに手に馴染み、より一層に味わいを増し、愛着が湧くものばかりだ。新しい季節の訪れに合わせて衣替えをするように、暮らしの風景を一新したいと思ったら、工芸の品々を加えてみるのはどうだろう。手にするたびに、美しい佇まいや使い心地など、その技術の高さに驚くはずだ。

  • 手馴染みが良く、均一な木目が美しい天然スギを使用した、秋田生まれの大館曲げわっぱの弁当箱。幅80mmとかなりのスリムサイズだが、細長くすることでマチの狭いカバンに入れてもすっきりと収まり、移動時に傾きにくい。無塗装なので、木本来の吸湿性、通気性が生き、弁当の素材をおいしく保つことができる利点も。ご飯はもちろん、バゲットサンドなどパンのお弁当にもおすすめ。中の仕切りは自由に動かすことができるので、ご飯とおかずのバランスも好みで調節可能だ。/〈柴田慶信商店〉W230xD80xH53mm。12,100円。
  • 京都府一帯に古くから伝わる京鹿の子(かのこ)絞。鹿革に布を括り付けた状態で染めることで、布に覆われた部分が染色されず白く残り、さまざまな文様を作り出す。鹿革は肌触りがとても滑らかなので、足にすっとフィットし、ふわふわとした感触も心地よい。かかとを上げてルームシューズとして、また、かかとを下げてスリッパとしても使える。ランダムに模様が入るこの《柳絞り》のほか、円形文様が連続する《傘巻き絞り》も揃う。/〈京都絞美京〉Mサイズ(〜24.5cm)。16,500円。
  • 四季折々に移ろう景色が美しく、温泉地として人気の神奈川県・箱根。その大自然から生まれた伝統工芸品が箱根寄木細工だ。緑豊かな箱根の地で採取した多様な木々を巧みに組み合わせ、描き出される独自の文様。このマウスパッドには、なめらかな肌触りとナチュラルな色合いが魅力の無垢材を使用。パソコンや周辺機器とのバランスを鑑みながら、よりミニマルかつ、現代的なデザインに挑戦している。お気に入りのオブジェを置くトレイとしても使えそうだ。/〈露木木工所〉W186xD123xH4mm。3,850円。
  • 武将の兜や鎧をつくるための革加工の技術に、粋な江戸の町人文化が加わり完成したと言われている甲州印伝。柔らかな鹿革の上に漆で多様な文様が描かれているのが特徴だ。鹿革は牛革よりも軽くて水や摩擦に強く、老化しにくいため、現代では、かばんや財布といった製品がつくられている。一枚革を3つに折り込み、スナップで留めた小銭入れは、口が広く底が細い三角形で、コインの取り出しも簡単。表と裏のどちらからでも開閉ができるようになっているのも便利だ。/〈印傳屋〉W82xD95xH20mm。各2,090円。
  • 加賀藩初代藩主、前田利長が高岡城を築いたことをきっかけに栄えた、高岡の城下町。その一帯では、武具や家具に漆を塗り、華やかで趣のある暮らしの道具が作り出された。そのかたちを現代に映す、高岡漆器の靴べらは、代表的な技法の一つ、青貝塗(あおがいぬり)で仕上げたもの。あわび貝などをはめこみ、漆をかけて磨くことで、透き通るような青のなかに、ほんのりピンク色が混じる、優雅さとかわいらしさを併せもつアイテムだ。携帯にも便利な小ぶりサイズ。/〈氏家漆器株式会社〉115x35xH5mm。3,762円。

Black

  • 奈良の正倉院宝物にも錫製の壺が見られるように、日本には古くから錫器の文化が伝わる。その流れを受け、大阪で江戸時代に発展した錫器づくりを現代に受け継ぐのが大阪浪華錫器(おおさかなにわすずき)だ。精緻な匠の技を活かし、夜空にまたたく星をイメージした、黒とシルバーのコントラストが美しい《群星》は、2019年度の全国伝統的工芸品公募展にて、日本商工会議所会頭賞を受賞。イオン効果によって水を浄化する錫は、お酒の雑味をなくし、まろやかな味になると定評がある。/〈大阪錫器株式会社〉φ83xH85mm。310ml。13,200円。
  • 新鮮な茶葉の味と香りを長持ちさせたい。そんな望みを実現してくれるのが、錫製の茶筒だ。通常、銅やブリキといった金属製の茶筒は、平板を筒状に接合、成形していくのに対し、錫は塊からろくろで削り出すため、まったく隙間がない高気密な構造になり、酸化や湿気から茶葉を守ってくれる。蓋を被せると静かな音とともに、ゆっくり落ちていく様子からも、その精度の高さがうかがえる。落ち着いた黒に錫のやわらかな光沢が映える、高級感溢れる一品。/〈大阪錫器株式会社〉。φ68xH105mm。容量100g。23,100円。
  • 木曽漆器の中心的産地である、木曽平沢に工房を構える丸嘉小坂漆器店。上塗師として呂色塗(ろいろぬり)の座卓を手がけていた父から知恵と技を受け継いだ2代目の小坂康人は、新たな挑戦として長野工業試験場と協働のもと、ガラスに美しい漆の色を重ねていった。こうした生まれたのがこの《すいとうよ》だ。ボウルからステムにかけてしっとりとした風合いの漆を施し、さらにボトムには金色に広がる文様を加え、品格ただようビールグラスが完成した。結婚式の引き出物など、祝い事の贈答品にも。/〈丸嘉小坂漆器店〉φ70xH175mm。335ml。3,300円。
  • 江戸時代後期の漆器職人、玉楮象谷(たまかじぞうこく)が、中国由来の漆芸をベースに技法を編み出し、その後発展を重ねていったという香川漆器。天然木に生漆を繰り返し丁寧に摺り込み、仕上げた摺漆塗(すりうるしぬり)の豆皿。少し藍色がかったつややかな黒の小さなうつわの内側に、均一に彫り込まれた文様から素材の温もりがほのかに漏れ出る。お茶請けなどをのせるほか、対になるカップとスプーンも揃っており、コースターとしても活用できる。/〈一和堂工芸〉W88xH20mm。各1,980円。
  • 少し赤みを帯びた深い色合いの紫檀(したん)の木は、とても硬くて丈夫。そんな紫檀の特性を生かして、生まれたのがこの菓子切りだ。包丁のしのぎ筋のように仕上げ、刃先にも角度をつけたことで、モチモチした柔らかな和菓子や、ふんわりとしたスポンジケーキなどもきれいにカットできる。大海を優雅に泳ぐクジラの尾を模した形には、大阪唐木指物の技を応用しており、重ね塗りした漆の輝きも印象的。古来日本では、クジラは恵比寿の化身として祀られていたことから、商売繁盛や金運にもつながる縁起の良いモチーフとされている。/〈工房キハラ〉W108xD10xH1.5mm。各1,100円。

見惚れる
“美しい黒の工芸”。

色の三原色を掛け合わせていくと黒にどんどん近づいていくように、ひとえに黒と言っても、その色彩にはさまざまな違いがある。日本の黒にも、冠婚葬祭の礼服に用いられる深い黒から、水墨画のような薄い黒。光の加減によって、赤みや青みが強く現れる黒など、そのあり方は実に多様だ。素材や仕上げによって、さまざまな風合いを見せる伝統的工芸品の黒の世界を見てみよう。

Healing

五感に働く
“癒しの工芸”。

なじみのある自然素材を、職人たちが手作業で一つずつ丁寧に仕上げていく伝統的工芸品。間近に見たときに醸し出す柔らかな表情からも、暮らしに寄り添う素直な態度が感じられる。そこに、ほのかに放つ光、鮮やかな色合い、優しい音色など、目や耳といった五感を心地よくくすぐる作用が加わると、さらにゆったりと心が癒され、落ち着いた時間を過ごすことができる。

  • 徳川家康が幼少期、そして隠居の時間を過ごしたゆかりの地、駿河。そのお膝元で育ったのが「駿河竹千筋細工」(するがたけせんすじざいく)と呼ばれる、竹ひごを用いた繊細なものづくりだ。花器や手提げ、虫籠など、さまざまに揃うアイテムのなかで、細い丸ひごの隙間から印象的な光がゆらめく行灯は人気アイテムの一つ。使うほどに竹が深い飴色になっていき、趣も豊かに。時間とともに風合いの変化を観察するのも、竹細工の楽しみ方の一つだろう。/〈静岡竹工芸協同組合〉W115xD115xH200mm。21,230円。
  • 県内最大の窯業地として多くの窯元が残る長崎県波佐見町。手頃な日用食器を生産の中心の軸としながらも、400年以上続く長い歴史は、波佐見に多様な磁器表現を生み出した。波佐見焼の特徴でもある、透き通るような白磁をベースに、少し緑がかった青を纏う青白磁は、伝統工芸士の山口正美の作品。つややかで上品な表情を湛えながら、重心を低めに取り、安定した形に。シンプルで素朴なデザインは、どんな空間にも映える。/〈正右衛門窯 山口正美〉φ110xH115mm。22,000円。
  • 江戸時代に花開いた茶の湯とともに、発展・進化を遂げた岩手の南部鉄器。湯釜や鉄瓶を皮切りに、時代とともにさまざまな日常の道具が現代でもつくられている。季節に応じた香りを部屋にたき込めるためにデザインされた香炉は、春、夏、秋、冬の4種。それぞれの季節に応じて色味だけでなく、蓋のデザインにもこだわった風情を感じるシリーズ。写真の冬(ゆき)の香炉は、雪の結晶をモチーフにしている。/〈岩鋳〉φ84xH90mm。3,520円。
  • 昔ながらの工芸品と合わせて、現代の暮らしに合う新しいモノのあり方を提案する産地も多数ある。この高岡銅器の《ぞうりん》は、祈りの道具であるおりんを、ふっくらとした象のフォルムにかたどり、愛嬌のある姿に仕上げている。さくらんぼのようなバチで叩くほか、ボディを持ち上げて振って音を鳴らすことも可能。形は斬新だが、響きにこだわって材料を配合し、鋳込み成形した音色はおりんの基本である1/f(エフぶんのいち)のゆらぎをきちんと実現している。/〈山口久乗〉W105xD50xH85mm。22,000円。
  • 優れた鋳物技術で、日用品のほか仏像・仏具などもうみ出している富山県の高岡銅器。お参りや読経の際などに用いるおりんを、深く長い音が空間にやさしく響くドアベルへとリデザイン。「いってらっしゃい」「おかえりなさい」といった日常のあいさつの代わりに、そして家族の無事を願う祈りの音色として、玄関に。また、トイレに取り付けて場を清めるほか、不審者の侵入を知らせる防犯がわりにも活用できる。/〈山口久乗〉W48xD70xH110mm。12,100円。

※注
掲載商品は、すべて手作りのため個体差があります。サイズは採寸によります。また、商品によっては在庫がなくなる場合があります。
料金には、別途送料がかかります。

〈工芸百貨 匠市〉

経済産業大臣が指定する“伝統的工芸品”産地の工芸品を集めたオンラインショッピングモール〈工芸百貨 匠市〉。織物、陶磁器、漆器、金工品など、全国各地の幅広いジャンルの工芸品を取り扱う。日本が誇る一生もののアイテムや掘り出し物が自宅にいながら手軽に購入できる。