SPECIAL JAPANESE MODERN ARCHITECTURE 55
宮崎
053 宮崎県青島青少年自然の家
Aoshima Miyazaki Nature House for Youth (1975)

1975年竣工。設計:宮崎県+坂倉建築研究所。坂倉準三の没後、その事務所を引き継いだ阪田誠造らが設計。坂倉建築研究所は1960年代の終わりから70年代にかけて、青少年センターや少年自然の家を全国各地で設計したが、これもそのひとつである。敷地は総合運動公園の一角。池に囲まれており、水面に映る白い外観は大型客船のよう。建物に入るときにはまず橋を渡る。内部に入ると、吹き抜けでつながるラウンジのさわやかさが味わえる。廊下には丸窓があり、そこから外の景色を見ると、気分はすっかりクルーズの途中だ。洗面所は廊下から外部へ突き出るようにあり、このあたりはメタボリズム的でもある。子供たちにとって、学校の友達と一緒に泊まるというだけでワクワクする体験だが、それを倍加するような近未来風の非日常的な空間が、ここには生まれている。