SPECIAL JAPANESE MODERN ARCHITECTURE 55
愛媛
046 今治市公会堂
Imabari City Assembly (1958)

1959年竣工。設計:丹下健三。丹下健三が出身地・今治において手がけた作品のひとつ。丹下は街の中心地に市庁舎(1959)と公会堂を建てることで広場を形成させ、都市のコアとすることを意図した。公会堂は壁、屋根とも折板構造を用いることで、幅27mのスパンを確保し、約1,300席を収容する大空間を実現させている。そのコンクリートによる折板の構造表現はそのまま内部に現れ、ダイナミックな空間を創造。一方、隣接する市庁舎は陰影が美しいコンクリートによる彫りの深い壁柱、ルーバーと折板構造が採用され、2つの建物の見え方を呼応させている。後に、公会堂では対応できなくなった市民活動のために、同じく丹下の設計による市民会館(1966)が実現。3つの丹下作品による広場が実現している。2013年に耐震化と設備などを現代的に改修している。