SPECIAL JAPANESE MODERN ARCHITECTURE 55
島根
038 出雲大社庁の舎
Izumo Grand Shrine Cho-no-ya (1963)

1963年竣工。設計:菊竹清訓。1953年に焼失した出雲大社境内の庁の舎の再建計画。境内の中で不燃化が求められたことから、コンクリートが用いられている。古代にも通じる豪壮な出雲大社に対して、現代の技術を大胆に用いることを目指した菊竹の代表作。出雲地方の稲掛けをモチーフとしつつ、プレストレス・コンクリートという工法によって実現した柱間長さ40mの2本の大梁を両端の柱に架け渡している。その梁に掛ける方立や、屋根、外観を特徴づける横桟といったほとんどの部材を工場で生産し、現場で組み立てる計画とした。現代の構法である鉄筋コンクリートでの先端技術を盛り込みつつ、日本の木造建築がもつ解体・組み立てができる更新性を再解釈することで、現代建築でありながら神聖な境内に見事に調和させている。