SPECIAL JAPANESE MODERN ARCHITECTURE 55
愛知
027 南山大学
Nanzan University (1964〜73)

1964〜73年竣工。設計:アントニン・レーモンド。名古屋市東部の丘陵地に開発された大学キャンパス。自然の起伏をできるだけ残して敷地を計画している。教室棟、研究室棟などの建物群を貫くように、ほぼ一直線のメインストリートを尾根の位置に貫通させた。これにより、キャンパス内を移動する際、歩行距離が短くなるだけでなく、変化する景観を歩きながら楽しむことが可能となった。ここを訪れた建築史家の内藤昌は、山岳仏教の寺院に見られる伽藍配置にたとえて、これを称えている。建物はほとんどがコンクリート打ち放し。部分的に施された赤茶色ペイントとプレキャスト(工場製)コンクリートのルーバーが外観を印象づける。グラウンドに面して建てられた体育館は、鉄筋コンクリート造の主構造がそのまま外に露出したようなデザインである。