DESIGN
Good TOOLS For Me|愛用のガラスのコップを教えてください。
『カーサ ブルータス』2018年8月号より
July 11, 2018 | Design | a wall newspaper | editor_Yuka Uchida
毎回3人のゲストに愛用の日用品を聞くコーナー。今回は日々の暮らしに欠かせないガラスのコップです。
ガラス作家・西垣聡のカットグラス
カットグラスといっても、角ばったところのない滑らかな波目模様だから、唇にも持つ手にも優しい。装飾的だと思っていたが、よく見ると、円柱形のベースに行儀よく模様が繰り返し施されている、至って素朴な代物なのだ。夜、仕事が一段落してウィスキーを傾けるたび、刻まれた時間を想像しながら柔らかな凹凸に指を滑らせる。口当たりも指の腹に当たる感触も気に入っている。展覧会に出品されていると買い足し、食器棚には大中小が並んでいる。三つの大きさに合わせ、氷や水を加えて愉しむのも好い。
最近、ほぼ毎日聴いている古い時代のアルメニア音楽がある。小さな楽団の奏でるもので、音数が少なく繰り返しの多い静かな曲だ。遠くから聞こえてくるような、ゆったりとした打楽器の低音も心地好い。西垣さんのグラスから受けた印象と重なるものがある。
今晩改めてこの音楽を聴いてみよう。いつも通り、ウィスキーをグラスにたっぷりと注ぎ、ゆっくりいただくぞ。きっと、気持ちの好い酩酊状態を味わえるだろう。
最近、ほぼ毎日聴いている古い時代のアルメニア音楽がある。小さな楽団の奏でるもので、音数が少なく繰り返しの多い静かな曲だ。遠くから聞こえてくるような、ゆったりとした打楽器の低音も心地好い。西垣さんのグラスから受けた印象と重なるものがある。
今晩改めてこの音楽を聴いてみよう。いつも通り、ウィスキーをグラスにたっぷりと注ぎ、ゆっくりいただくぞ。きっと、気持ちの好い酩酊状態を味わえるだろう。
猿山 修 デザイナー
さるやまおさむ 1966年生まれ。東京・麻布にて、デザイン事務所〈ギュメレイアウトスタジオ〉及び、古陶磁を含むテーブルウェア等を扱う〈さる山〉を主宰。
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