FOOD
野村友里が主宰する「食のライブパフォーマンス」が年末に開催!
December 23, 2017 | Food, Culture | casabrutus.com | text_Housekeeper
フードディレクター・野村友里が自身初の試みとして取り組む「食にまつわるインスタレーション」と企画展示が年末、〈スパイラルガーデン〉で開催される。野村が語る、このイベントの見どころとは?
12月28日〜30日に表参道の〈スパイラルガーデン〉にて開催されるライブパフォーマンス「食の鼓動 —inner eatrip」。「食べられない食のイベントなんです(笑)」と野村が話す謎が多い今展だが、野村が以前から抱いていた「食事とは口から食べるものと生命のエネルギーなど心で『摂る』ものとがあり、目に見えない『食』の大切さについて考えてみたい」という思いを形にしたものだという。
「インターネットだったり雑誌だったり、最近はどうしても視覚からの情報が多くなってしまいますが、今回のイベントでは視覚だけでなく、においや音、振動など他の感覚を通して『食』を表現します。感覚的なものだから、受ける印象はその人その人によって違うはず。このような体験から、自分の内側に流れる生命の鼓動に耳を澄ませてもらえれば、と思っているんです」
普段は自分で料理をし、食べ手の舌を通して、おいしさや食べることの楽しさを伝えている野村。今回このような新しい「食」の表現をするにあたり、様々なクリエイターが参加を表明した。音や香りで料理を演出するのは〈オルガン〉の紺野真、〈ピニョン〉の吉川倫平、〈パラダイス・アレイ ブレッドカンパニー〉の勝見淳平。いずれも東京近郊を代表する人気レストランのシェフたちだ。また、それぞれの日にゲストパフォーマーが出演するが、歌手の永積崇(ハナレグミ)、UA、タップダンサーの熊谷和徳などおよそ料理とはかけ離れたイメージの人選がまたおもしろい。
「もともと、いろんな表現者の人と繋がる機会が多くて。目に見えない情報をどうやって伝えるか、または吸収するかについて話し合うことがよくあったんです。ファッションデザイナーも、ミュージシャンも、私たちのような料理家も、表現したいという思いは一緒。そんなときこのイベントの話があって、異業種のクリエイターたちが多角的な方面から携わったらまた新しいものができるんじゃないか、という話になったんです」
その異業種のエキスパートたちを繋げるキーパーソンになったのが、東京大学医学部付属病院の医師、稲葉俊郎だった。稲葉は「人間の身体において、心身ともに調和をとることが真の健康である」と、音楽やアート、古典芸能など、医療の枠を越えたあらゆる分野を通して「心の健康」の重要性を説いている珍しい観点を持つ医師だ。
「今まで好きな人だけに伝えていた感覚的なものが、稲葉先生が医師という立場から理論的に言葉にしてくれたことで、一本芯が通った気がしたんです。みんなで一つのものが目指せる、と思いました」
3日間のイベントは、三部作だ。一部は、いつもは忘れている、自分たちが地球に住む生命体の一部であるということを思い出すもの。二部は、生命が火の誕生によって食材として扱われるようになった、というもの。三部は、そんな食材が「食べる」ことにより自分の中で命として蘇るというものだ。野村が「来ているお客様と造りあげるイベントだから、私もどんなものになるか楽しみ」と言うほど、いずれの日に来てもまったく違う感覚で楽しめるものになるという。新しい観点から「食」を見つめ直す今回のイベント。あらゆる記憶が呼び起こされ、これからの「食べる」に興味がわく。終わった後は、何かを大切に味わって食べたくなることは間違いない。
「インターネットだったり雑誌だったり、最近はどうしても視覚からの情報が多くなってしまいますが、今回のイベントでは視覚だけでなく、においや音、振動など他の感覚を通して『食』を表現します。感覚的なものだから、受ける印象はその人その人によって違うはず。このような体験から、自分の内側に流れる生命の鼓動に耳を澄ませてもらえれば、と思っているんです」
普段は自分で料理をし、食べ手の舌を通して、おいしさや食べることの楽しさを伝えている野村。今回このような新しい「食」の表現をするにあたり、様々なクリエイターが参加を表明した。音や香りで料理を演出するのは〈オルガン〉の紺野真、〈ピニョン〉の吉川倫平、〈パラダイス・アレイ ブレッドカンパニー〉の勝見淳平。いずれも東京近郊を代表する人気レストランのシェフたちだ。また、それぞれの日にゲストパフォーマーが出演するが、歌手の永積崇(ハナレグミ)、UA、タップダンサーの熊谷和徳などおよそ料理とはかけ離れたイメージの人選がまたおもしろい。
「もともと、いろんな表現者の人と繋がる機会が多くて。目に見えない情報をどうやって伝えるか、または吸収するかについて話し合うことがよくあったんです。ファッションデザイナーも、ミュージシャンも、私たちのような料理家も、表現したいという思いは一緒。そんなときこのイベントの話があって、異業種のクリエイターたちが多角的な方面から携わったらまた新しいものができるんじゃないか、という話になったんです」
その異業種のエキスパートたちを繋げるキーパーソンになったのが、東京大学医学部付属病院の医師、稲葉俊郎だった。稲葉は「人間の身体において、心身ともに調和をとることが真の健康である」と、音楽やアート、古典芸能など、医療の枠を越えたあらゆる分野を通して「心の健康」の重要性を説いている珍しい観点を持つ医師だ。
「今まで好きな人だけに伝えていた感覚的なものが、稲葉先生が医師という立場から理論的に言葉にしてくれたことで、一本芯が通った気がしたんです。みんなで一つのものが目指せる、と思いました」
3日間のイベントは、三部作だ。一部は、いつもは忘れている、自分たちが地球に住む生命体の一部であるということを思い出すもの。二部は、生命が火の誕生によって食材として扱われるようになった、というもの。三部は、そんな食材が「食べる」ことにより自分の中で命として蘇るというものだ。野村が「来ているお客様と造りあげるイベントだから、私もどんなものになるか楽しみ」と言うほど、いずれの日に来てもまったく違う感覚で楽しめるものになるという。新しい観点から「食」を見つめ直す今回のイベント。あらゆる記憶が呼び起こされ、これからの「食べる」に興味がわく。終わった後は、何かを大切に味わって食べたくなることは間違いない。
『食の鼓動 ─inner eatrip』
〈スパイラルガーデン〉
●港区南青山5-6-23 スパイラルビル1F。2017年12月28日〜30日。28日、29日は20時開場、20時30分開演。30日は17時30分開場、18時開演(11時〜19時30分(30日〜17時)は「食道展」と題するインスタレーションや展示などを開催)
ゲストパフォーマー:28日永積崇(ハナレグミ)、29日UA、30日熊谷和徳。テキスト・トークセッション:稲葉俊郎(東京大学医学部付属病院 循環器内科 助教)。
チケット:椅子席7,000円(前売)/7,500円(当日)、立見席5,000円(前売)/5,500円(当日) *全席自由・整理番号付。チケット取り扱いは〈カンフェティ〉TEL0120 240 540(平日10時~18時)、〈MINA-TO(ミナト)〉(スパイラル1F) TEL 03 3498 4015(11時〜20時)※MINA-TOでは、枚数限定で店頭販売のみの取り扱い。