ART
建築への視線をねじ曲げる、モニカ・ソスノフスカのアート。
January 21, 2015 | Art, Architecture | casabrutus.com | text_Naoko Aono
観客の頭上につるされた巨大なオブジェ。「ゲート」がモチーフになっているというそのアートが示すものは?
銀座メゾンエルメス フォーラムの吹き抜けになったスペースの天井から大きなオブジェが4つ、吊り下げられている。よく見ると、枠や板のようなものをぐにゃぐにゃに曲げたものだ。展覧会のタイトルは「ゲート」。このオブジェは門扉や、戸や窓につける防犯用の格子を模している。作家であるアーティスト、モニカ・ソスノフスカの故郷、ポーランドではありふれたものなのだそう。
ソスノフスカはワルシャワを拠点に活動している。建築に興味があるという彼女は厳密には建築そのものよりも、それに向けられる人々の視線や思いに注目しているようだ。1972年生まれの彼女は政治体制の変化が人々の心理や建築に及ぼした影響を、身をもって感じ取ってきた。たとえばワルシャワにある「文化科学宮殿」という巨大な建物は1955年、スターリンによってソ連からポーランドに贈られたもの。もちろん建設当初から歓迎されず、ソ連崩壊後、取り壊してほしいとの要望もあったが、結局今もそのまま使われている。冷戦が終結した後、四半世紀を経てかつての歴史の記憶も薄れ、この建物に嫌悪感を抱くことのない世代も増えているという。
ソスノフスカはワルシャワを拠点に活動している。建築に興味があるという彼女は厳密には建築そのものよりも、それに向けられる人々の視線や思いに注目しているようだ。1972年生まれの彼女は政治体制の変化が人々の心理や建築に及ぼした影響を、身をもって感じ取ってきた。たとえばワルシャワにある「文化科学宮殿」という巨大な建物は1955年、スターリンによってソ連からポーランドに贈られたもの。もちろん建設当初から歓迎されず、ソ連崩壊後、取り壊してほしいとの要望もあったが、結局今もそのまま使われている。冷戦が終結した後、四半世紀を経てかつての歴史の記憶も薄れ、この建物に嫌悪感を抱くことのない世代も増えているという。
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