DESIGN
無形文化財の鎚起銅器を継承する〈玉川堂〉200年展、開催中。
June 10, 2016 | Design | casabrutus.com | text_Keiko Kusano
日本一の金物の産地として知られる新潟県燕三条で、無形文化財の鎚起銅器を継承する玉川堂。同社の200周年を記念した展覧会『玉川堂200年展 ~打つ。時を打つ。』が東京・銀座の〈ポーラ ミュージアム アネックス〉で開催中だ。
1816年、日常の鍋や釜、やかんの製造からスタートした玉川堂。次第に美術工芸品的要素を加えていくことで、日本政府が初めて参加した1873年の万博「ウィーン万国博覧会」に出品を果たす。以降、玉川堂は戦前までに、約30回、内外の博覧会に出品し数々の受賞に輝いた。
今回の展覧会では、1816年の創業時から2016年の最新作に至るまで、玉川堂の代表作20数点が展示されている。初代が手がけた銅製のやかんから、花鳥風月を彫金で精緻に描いた花瓶や香炉、純銀製の水注、日本独自の特殊な金属技法「木目金」を使用した最新の和器まで、玉川堂の歴史の中で育まれてきた作品の数々を一堂に見ることができる。
美しく静謐な空間構成を手がけたのは、スペースコンポーザーの谷川じゅんじ。作品が展示されている黒い台の表面には流動パラフィンが流し込まれており、水鏡のように作品を映し出す仕掛けとなっている。奥に設置された大型画面では燕三条の美しい四季と工房の映像が流され、その風景も水面に映りこむ。
大切に継承されてきた技術と、それに裏打ちされた美しい作品を間近で見られる展示は必見。会期中は毎日、職人による鎚起銅器の製作実演が行われる。さらに銅器を使ったコーヒーやお茶の試飲、ギャラリートーク、銅の小皿の製作体験(体験料金1,500円)など、イベントも盛りだくさんだ。会期は6月19日まで。
大切に継承されてきた技術と、それに裏打ちされた美しい作品を間近で見られる展示は必見。会期中は毎日、職人による鎚起銅器の製作実演が行われる。さらに銅器を使ったコーヒーやお茶の試飲、ギャラリートーク、銅の小皿の製作体験(体験料金1,500円)など、イベントも盛りだくさんだ。会期は6月19日まで。
玉川堂 200 年展 ~ 打つ。時を打つ。
〈ポーラ ミュージアム アネックス〉