DESIGN
緻密な計算で導き出す日常のかたち。モーエンス・コッホの名作照明の魅力を知る。
April 23, 2020 | Design | casabrutus.com | text_Hisashi Ikai editor_Keiko Kusano
デンマークデザインの黄金期を支えたデザイナーのひとり、モーエンス・コッホの照明《モデル105》が、発表から75年以上もの長い年月を経て、ついに日本で販売を開始する。
均整の取れたシンメトリックなフォルムと、幾何学的なラインが美しいデンマークのメーカー〈レ・クリント〉のペンダント照明《モデル105》は、モーエンス・コッホが1945年にデザインした作品だ。
シンプルで機能性が高いのは、デンマークデザインの基本でもあるが、モーエンス・コッホはそれを極限まで追求したデザイナーと言っても過言ではない。コッホは、何よりも機能性を最優先に、無駄を最大限まで省いたミニマリストで、徹底したデータ分析から確実な線を導き出すものという手法を取る。そう聞くと、合理的で無機質だと思われるかもしれないが、コッホが描いたのは、自身のプロダクトが人々の暮らしのなかに置かれるときに、いかに心地よい形ですっぽりと収まるのかということだった。
シンプルで機能性が高いのは、デンマークデザインの基本でもあるが、モーエンス・コッホはそれを極限まで追求したデザイナーと言っても過言ではない。コッホは、何よりも機能性を最優先に、無駄を最大限まで省いたミニマリストで、徹底したデータ分析から確実な線を導き出すものという手法を取る。そう聞くと、合理的で無機質だと思われるかもしれないが、コッホが描いたのは、自身のプロダクトが人々の暮らしのなかに置かれるときに、いかに心地よい形ですっぽりと収まるのかということだった。
照明《モデル105》は、均一に折られたシェードの凹凸が光の加減を調節しながら、適切な明かりを室内にもたらす。また、装飾性に頼らないのは、流行に左右されず、時代を超えて長く日常に存在するものであってほしいと願ったコッホの思いの表れなのだろう。
そうしたコッホの気持ちが通じてか、ひっそりとながら長年人々に愛され、発表から70年を迎えるロングセラーとなった《モデル105》。0.5kgと軽量で、サイズもφ250×H330mmと比較的コンパクトなので、ダイニングテーブルの上にひとつ設置するのはもちろんのこと、シーンに合わせて複数アレンジしてみるのも良いかもしれない。
そうしたコッホの気持ちが通じてか、ひっそりとながら長年人々に愛され、発表から70年を迎えるロングセラーとなった《モデル105》。0.5kgと軽量で、サイズもφ250×H330mmと比較的コンパクトなので、ダイニングテーブルの上にひとつ設置するのはもちろんのこと、シーンに合わせて複数アレンジしてみるのも良いかもしれない。
レ・クリント《モデル105》
φ250×H330mm、0.5kg。58,000円。問い合わせ スキャンデックス TEL 03 3543 3453。
モーエンス・コッホ Mogens Koch
1898年デンマーク生まれ。デンマーク王立芸術アカデミーを卒業後、コーア・クリントの事務所を経て、独立。建築、テキスタイル、銀製品、タイポグラフィなど、幅広い分野でデザインを手がけた。装飾性を極限まで排除しながらも、計算しつくされたバランスから美しいデザインを導き出すスタイルに定評がある。