ART
アンドレ・プットマン『瞬間の中の永遠』展|BORDEAUX
September 18, 2015 | Art | a wall newspaper | text_Chiyo Sagae
一昨年、87歳で他界したフランス人女性内装建築家・デザイナー、アンドレ・プットマン。コンコルド機の内装やサン・ローラン、ヴァレンシアガの店舗、NYのモーガンズホテルなど多岐にわたり活躍した偉才の死が惜しまれた。今夏、彼女が1980年代に改築を手がけた〈CAPC ボルドー現代美術館〉が開催する展覧会は、プットマンの総合的なデザイン力を体感する好機。
1824年築の巨大倉庫を美術館に蘇らせるため、歴史建造物の特異性と背景を尊重しながら、自由に空間構成を変えられるパネルやリクライニングボードや家具デザインで、時代を超越したミニマルなモダニティーを提案した。
消費されては廃棄される安易なデザインを嫌い、静謐な”今”を形にし続けたデザイナー。その作品が空間に永続性を与え、常にモダンであり続ける美術館そのものが見もの。「デザイン界の偉大な貴婦人」と呼ばれたプットマンの品位に敬意を捧げた異色展だ。
Loading...