静岡で、洋食界のレジェンドの力わざにやられるの巻|Pのローカルレストラン探訪 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

静岡で、洋食界のレジェンドの力わざにやられるの巻|Pのローカルレストラン探訪

えっ? メインはビーフカツとタンシチューの豪華2本立て?

そして、5品目がいよいよメイン。これもシェフの手練手管に翻弄される味わい。何と、ビーフカツと牛ホホ肉のシチューの豪華2本立てなのである。ビーフカツの火入れの見事なこと。シチューのお肉の柔らかさ、旨みの凝縮度はもちろんのこと、ソースが絡むマッシュポテトのうっとりするほど滑らかなこと。かなり、ノックアウトされている感じです。
ビーフカツと牛ほほ肉のシチュー。ビーフカツは醬油とワサビをちょっとつけて。
〆ごはんは、黒カレーと焼きラーメンの2種類をご用意くださったが、普通は1種類のみ。たいていは黒カレーになる。このカレー、スリランカ風。後口すっきり。「カツと一緒に食べてもいいし、卵を落としてもいいね」と、シェフ。大満足、間違いなし。

もしも運がよければあるのが、焼きラーメン。向かいの製麺屋さんのタンメン用の少し平たい麺で作る。出汁とラーメンだれを絡めて、黒胡椒でピリリ。欲張りさんは両方食べたくなるに決まっているが、幸運を祈る。
〆の黒カレー。たった一切れのキュウリのピクルスが効いてます。
焼きラーメンがあればラッキー。
〆の黒カレー。たった一切れのキュウリのピクルスが効いてます。
焼きラーメンがあればラッキー。
デザートはかき氷。お客さまからの要望で始めたという、このかき氷、今日はピスタチオソース。淡いグリーンがおしゃれである。さらに、サバラン。ブリオッシュにオレンジシロップとかき氷用に作っている糖蜜を合わせてしみ込ませ、たっぷりの生クリームとオレンジピールを添えてある。これも忘れられない味だ。
かき氷。意外とペロリといただける。
サバランは大人の味。
かき氷。意外とペロリといただける。
サバランは大人の味。
ご紹介が遅くなったが、このお店、静岡駅からタクシーでワンメーター。歩いたって10分ほど。立派な枝ぶりの松が目印の建物が目指す〈静岡 旬香亭(しゅんこうてい)〉だ。どこかのお屋敷みたいな感じ。

オーナーシェフは齋藤元志郎さん。日仏で修業を積んだのち、1980年代には、熱海大月ホテルのフレンチレストラン〈ラ・ルーヌ〉で、その腕を高く評価され、名を馳せた名シェフである。当時、東京や大阪からわざわざこのレストランのために足を運んだ食いしん坊も多かった。
2階建てで、こちらは1階の客席。
厨房ではシェフ大忙し。
鋭意、サーモンサンドに向かうシェフ。
玄関脇の壁には開店祝いにいただいた藤田嗣治の絵。
2階建てで、こちらは1階の客席。
厨房ではシェフ大忙し。
鋭意、サーモンサンドに向かうシェフ。
玄関脇の壁には開店祝いにいただいた藤田嗣治の絵。
その後、1995年、静岡で〈旬香亭〉を開き、その2年後には赤坂の一軒家に赤坂〈旬香亭〉を開店。小皿多品の洋食コースで大人気となる。さらには〈フリッツ〉〈ポンチ軒〉〈目白 旬香亭〉と、開いた店がすべて評判を呼ぶ。

そう。あの〈フリッツ〉や〈ポンチ軒〉の仕掛け人こそ、この齋藤シェフなのです。そんなレジェンドシェフは、2014年にリオープンした本丸ともいうべき、静岡のこの店で、毎日、仕出しの仕込みに大忙しだ。だから、絶対に事前予約必要ね。
お土産にはビーフカツサンド2,500円。喜ばれます。
相変わらず、料理界の新しいトレンドからラーメンまで、幅広い情報収集を欠かさないシェフ。世界の動きにも敏感だ。それが、お店の血となり肉となる。まだまだ驚かせてくれそうだ。また、行かなくっちゃ。

〈静岡 旬香亭〉

静岡県静岡市葵区駿河町4-8
駿河町森下ビル1F TEL 054 272 3066。12時〜13時LO、17時30分~20時LO。不定休。完全予約制。コースはランチ3,240円〜、ディナーは6,000円〜。ワインはグラス700円〜、ボトル3,500円〜。

P

ぴい 食中心のライター&編集者。「家政婦が見た!」的にこそっと取材したいタチ。原稿を書かなくて済むならどんなに幸せかといつも夢見ている。