FOOD
蟹も熟成ブーム!〈ケジャン★オールスターズ〉参上|寺尾妙子のNEWSなレストラン
December 28, 2017 | Food | casabrutus.com | photo_Kayoko Aoki text_Taeko Terao editor_Rie Nishikawa
熟成ブームは肉に寿司ときて、ついに蟹にまで!? 韓国ではハレの日に食べるとっておきのごちそう、ワタリガニをタレに漬け込んだケジャンの専門店〈ケジャン★オールスターズ〉がオープンした。
蟹は鮮度が命! もちろん、そういう食べ方もある。が、一方で熟成させることで一層、魅力を増す料理法もあるのだ。
韓国料理ではワタリガニをタレに漬け込む「ケジャン」、そして中国料理では上海蟹を紹興酒に漬け込む「酔蟹(スーシェ)」。どちらも生きたままの蟹を数日漬け込む。すると、味わい深い蟹の身が紹興酒やタレを吸い込み、溶け合い、熟成して、美味を生み出すのだ。東京でケジャンが食べられる店は限られる上に、これぞ! という店はさらに少ない。
そこに誕生したのが、肉好きにはよく知られる新大久保〈ホルモン船 ホールちゃん〉の姉妹店〈ケジャン★オールスターズ〉である。本店は鮮度抜群のハラミやセンマイなど内臓系の肉料理を目玉としているが、実はケジャンが大人気。そのおいしさを知ってもらおうとオーナー、李 受燕(イ スヨン)さんが専門店を出したのだ。
韓国料理ではワタリガニをタレに漬け込む「ケジャン」、そして中国料理では上海蟹を紹興酒に漬け込む「酔蟹(スーシェ)」。どちらも生きたままの蟹を数日漬け込む。すると、味わい深い蟹の身が紹興酒やタレを吸い込み、溶け合い、熟成して、美味を生み出すのだ。東京でケジャンが食べられる店は限られる上に、これぞ! という店はさらに少ない。
そこに誕生したのが、肉好きにはよく知られる新大久保〈ホルモン船 ホールちゃん〉の姉妹店〈ケジャン★オールスターズ〉である。本店は鮮度抜群のハラミやセンマイなど内臓系の肉料理を目玉としているが、実はケジャンが大人気。そのおいしさを知ってもらおうとオーナー、李 受燕(イ スヨン)さんが専門店を出したのだ。
全9品のおまかせコースは《トリュフ風味のマッシュルーム》から始まり、塩辛、サラダ、チヂミを挟んだら、いよいよ、ケジャン祭りが始まる。まずはスタンダードな《醤油ケジャン》から。
「ワタリガニはすごくおいしいのに、日本だとほとんどスパゲッティーのソースにしか使われていないでしょ? もったいないよね。だから、僕がたくさん使おうと思って。使うのは国産100%、九州の有明海や竹崎で獲れるものが多いね」(李さん)
カニの複雑な形状に箸は通用しない。指袋を装着した親指と人差指で掴んだ脚をチュウと軽く吸うだけで、ムチムチしたコラーゲン質の身がたっぷり口の中に入ってくる。タレに漬けて寝かせたゆえの、熟成感のある濃厚なカニの旨み、そして意外にも和な風味。聞けば、日本の醤油をベースにしたタレに日本酒や柚子を加えているのだそう。
カニの複雑な形状に箸は通用しない。指袋を装着した親指と人差指で掴んだ脚をチュウと軽く吸うだけで、ムチムチしたコラーゲン質の身がたっぷり口の中に入ってくる。タレに漬けて寝かせたゆえの、熟成感のある濃厚なカニの旨み、そして意外にも和な風味。聞けば、日本の醤油をベースにしたタレに日本酒や柚子を加えているのだそう。
「ケジャンは生きたままのワタリガニをタレに3〜5日ほど着けますが、家や店ごとにタレの味付けが違っているんですよ」(李さん)
次なるケジャンは《味付けケジャン》。唐辛子やニンニクを使ったタレに漬け込んだピリ辛味だが、日本酒や梅エキスが入っていて、後味はあっさりしている。
次なるケジャンは《味付けケジャン》。唐辛子やニンニクを使ったタレに漬け込んだピリ辛味だが、日本酒や梅エキスが入っていて、後味はあっさりしている。
さらにハラミのたたきやタンステーキなど、本店の肉料理が日替わりで1品登場する。ここまででかなり、お腹はいっぱいになっているが、〆は別腹。甲羅に残ったカニミソやタレとごはんを混ぜた《カニチャーハン》が炭火に置かれると、思わず歓声を上げてしまう。
通常バージョンは甲羅で焼いたチャーハンを韓国のりでクルッと巻く。さらにイクラとウニをたっぷりのせた贅沢バージョンもあり、味も見た目も贅沢そのもの。これからの季節、さらにおいしくなるケジャンで1年を初めてみるのもいいだろう。
〈ケジャン★オールスターズ〉
東京都港区西麻布2-24-1 萬治ビル2F TEL 03 6805 1538。18時〜24時。不定休。コース8,500円〜。ランチ営業は要予約、時間は応相談。ビール800円、グラスワイン980円、マッコリ2,500円。予約不可。illustration Yoshifumi Takeda
寺尾妙子
てらお たえこ 食ライターとして雑誌やWEBで執筆。好きな食材はごはん、じゃがいも、トリュフ。現在、趣味の茶の湯に邁進中。