攻めるフレンチ〈オード〉|寺尾妙子のNEWSなレストラン | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

攻めるフレンチ〈オード〉|寺尾妙子のNEWSなレストラン

料理もインテリアもエッジの効いた〈Ode(オード)〉は、フレンチの大御所シェフたちからの評価も高かった前〈シック・プッテートル〉シェフ、生井祐介が独立して開いた店だ。

オリジナルは舌平目でつくられるが、主素材をクエに変えた「クエ ジロール アルベール」。1930年代、魚の出汁に肉の出汁である仔牛の出汁を合わせたソースは非常に画期的だった。本来、濃厚なソースをエスプーマ(泡)状にし、軽やかに。コリンキー(小カボチャ)、ジロール茸と合わせ、白×オレンジの色合いに。
〈オード〉のコースは、ひと皿ごとに場面が大きく転換する。いかにもフランス料理らしい味わいの合間に中華のニュアンスを挟んでくる。かと思えば、メインはパリで100年以上続く老舗〈マキシム・ド・パリ〉のメートル・ド・テル、アルベールが1930年代に考案した歴史的料理、「舌平目のアルベール風」をアレンジしたネオ・クラシック。

味の振り幅は大きい。が、どれも数種の素材を複雑に絡ませ、足して足して、掛け算しながら、素数のようにシャープな味わいを導き出すような手法には一貫性がある。
オーナーシェフ、生井祐介。「料理を通してブルースの精神を伝えたい」。
そんな生井のクリエイションを実現する厨房スタッフはシェフ込みで6人。1人はパティシエだ。専任のパティシエを置くのは通常、グランメゾンと呼ばれるようなレストラン。ディナータイムのコースが13,000円1本で、30席にも満たない規模のこの店にパティシエがいるというのはかなり贅沢なこと。

「デザートも印象に残るものに仕上げたいとなると、やはりアイデアを形にするテクニックを持った専属の職人が必要になるんです」

ガストロノミーにかける意気込みは十分。生井シェフの今後に期待が高まる。
シャンパンあり、日本酒あり、ときにアマローネやソーテルヌまで出てくるワインペアリング9,000円〜は大充実の内容。
窓からキッチンカウンターが見える半個室。

〈Ode(オード)〉

東京都渋谷区広尾5-1-32
ST広尾2F TEL 03 6447 7480。12時〜13時(入店)、18時〜21時(入店)。日・祝休。料理はコースのみ、昼6,000円〜、夜13,000円。ワインはペアリング9,000円〜、昼のグラス1,200円〜、夜のグラス1,800円〜、ボトル6,500円〜。

寺尾妙子

てらおたえこ  食ライターとして雑誌やWEBで執筆。好きな食材はごはん、じゃがいも、トリュフ。現在、趣味の茶の湯に邁進中。