この秋、絶対食べたい栗菓子10選。
October 25, 2017 | Food | casabrutus.com | photo_Akiko Mizuno text_Mutsumi Hidaka editor_Ai Sakamoto
実りの秋の到来。老若男女に人気の高い栗を使った和洋のスイーツを集めました!
〈栗の風味が生きる和菓子5選〉
たねや
「栗月下(くりげっか)」
「栗本来の味わいと質感をそのままお菓子にできないだろうか?」という作り手の思いから誕生。以来10 年以上にわたって、新栗の出回る頃になると登場する季節菓子だ。風味のよい国産の栗を使い、独自の製法で仕上げている。食べてみると外見に反して、ホクホクほろほろと舌の上でやさしくほどけ、口いっぱいに豊かな味わいが広がる。余韻に残る栗の香りも秋を感じさせる。毎年、登場を待ちかねるリピーターがいるというのも納得の一品。2月上旬頃までの期間限定。1本2,376円。取り寄せ可。都内をはじめ主要百貨店でも取り扱い。
桜井甘精堂(さくらいかんせいどう)
「純栗もなか」
かつて松代藩が将軍家に献上し、質の高さで天下に名の知られた信州小布施の栗。これを初めてお菓子にしたのが初代幾右衛門。以来200余年続く歴史の中で初の季節限定品として誕生したのがこの「純栗もなか」だ。封を切れば香ばしい匂いがフワリ。頬張ればサクッと軽やかな最中皮と風味豊かな栗あんが一体となって、幸せな気分に。栗園から届いた良質の栗を蒸して裏ごしし、熟練の職人がヘラで砂糖と練り合わせた栗あんは質感も素晴らしい。小諸で最中皮ひと筋の〈種兵〉が調製した本こがし皮とのバランスも見事だ。5月初旬頃までの期間限定。1個200円。9個入り化粧箱2,000円。
緑屋老舗(みどりやろうほ)
「栗金飩(くりきんとん)」
古くから日本有数の栗どころとして知られる美濃八百津で明治5年に創業し、当代で6代を数える名店のロングセラー。素材の栗は、50軒以上ある地元の契約農家で朝採りしたものばかり。これを新鮮なうちに蒸し、八百津の名水で炊いて、ひとつひとつ手仕事で茶巾絞りに仕上げている。自然のままの淡黄の色合い、栗の粒感が残るホクホクした食感、栗の風味を引き立てるほどよい甘さ、雑味のない上品な後味は唯一無二。140余年の長きにわたり、祖父から子、孫へと受け継がれた伝統の味を。4月上旬頃までの期間限定。取り寄せ可。1個180円、6個入り1,180円。
やまえ堂
「やまえ栗100%使用渋皮煮 大粒利平(おおつぶりへい)」
熊本の最南端、球磨盆地の中央に位置する山江村は、知る人ぞ知る和栗の産地。上質と評判の「やまえ栗」の中でも希少な晩生品種「大粒利平」は、一般的な和栗よりも粒がふた回りほど大きく、糖度も高くて香りもひときわ強いと料理人やパティシエからも引っ張りだこだ。その大粒の栗を渋皮ごと炊き上げたのがこれ。甘みをギリギリのラインまで抑えて栗本来の風味を最大限に生かした渋皮煮は、舌の肥えた大人も満足させる味わい。JR九州のクルーズトレイン「ななつ星 in 九州」のディナーに採用されたのも、なるほど頷ける。売り切れ次第終了。取り寄せ可。200g入り1瓶2,057円。
仁太郎(にたろう)
「栗千年(くりせんねん)」
一見、何の変哲もない薄焼きせんべい。ところが口にした途端、誰もがきっと目を見張るはず。カリッと軽やかな食感と、その後にじんわりと舌に広がる素朴な栗の風味。焼き栗を思い出させる香ばしさが、たっぷりと余韻に残る。実はこれ、栗と少しだけの砂糖で調整した栗きんとんのタネを薄くのばして焼き上げたもの。さすが栗きんとん発祥の地と言われる恵那・加子母で明治元年から続く老舗だけに、栗の楽しみ方を知り尽くしている。職人が工夫の末に生み出した、いわば進化系栗きんとんだ。1年を通して楽しめるのも、栗好きにとってはうれしいところ。取り寄せ可。15枚入り1,000円。