FOOD
モダン・ヴェネツィア料理を東京・八丁堀〈ステッソ エ マガーリ シック〉で。
June 8, 2017 | Food | casabrutus.com | photo_Kayoko Aoki text_Taeko Terao editor_Rie Nishikawa
日本のイタリア料理界はまだまだ各地の郷土料理を再現する店がメインストリーム。そこから一歩進んだモダン・ヴェネツィア料理は、かなり貴重である。
東京・八丁堀の静かな通りに面した場所、店名に潜む「CHIC(シック)」の文字。ドアを開ければ、オーナーの星壽仁の笑顔。そう、フレンチ好きなら意外に思うかもしれない。2012年にオープンするやとブレイクした〈CHIC peut-etre(シック プッテートル)〉の跡地。シェフであった生井祐介が独立し、イタリアンの料理人、石濵一則が加わることになり、2017年春、イタリア料理店としてリニューアルオープンした。
ビストロテイストの店内もオーナーの星もそのままだが、料理がイタリアンになったことで店名も変更し、新たなスタートを切ったという。
「実はフランス料理に関わったのは〈シック プッテートル〉の5年間だけ。19歳から15年間ずっと、イタリア料理店のサービスマンをしていたのです」(星)
料理の説明も流暢な理由がわかる。サービスが星、料理は石濵の2人だけの店だが、コースを主とした料理もワインもスムーズにサーブされる。そんなこなれた感じが心地よい。
「実はフランス料理に関わったのは〈シック プッテートル〉の5年間だけ。19歳から15年間ずっと、イタリア料理店のサービスマンをしていたのです」(星)
料理の説明も流暢な理由がわかる。サービスが星、料理は石濵の2人だけの店だが、コースを主とした料理もワインもスムーズにサーブされる。そんなこなれた感じが心地よい。
料理は主に北イタリア系。特にシェフの修業先のひとつであるヴェネツィアのテイストを色濃くしている。
「栃木・那須や静岡・伊豆などにあるリストランテでずっと働いていたのですが、震災後に修業に行ったヴェネツィアの店はとても庶民的だったんです。それもバッカラ(干鱈)専門店という非常に特殊なところでした。でも、すごくおいしいんですよ。干鱈の舌のトマト煮込みや肺をニンニクとパセリで炒めたものとか」
石濵が楽しそうに語るバッカラの話を聞いているだけで、お腹が空いてくる。バッカラはヨーロッパではポピュラーな食材でも日本ではあまり馴染みがないため、現在のところはパンに添えるスプレッドとしてオリーブオイルと塩を合わせたペースト状の「バッカラ マンテカート」を出すのみ。これがワインと抜群の相性だ。
「栃木・那須や静岡・伊豆などにあるリストランテでずっと働いていたのですが、震災後に修業に行ったヴェネツィアの店はとても庶民的だったんです。それもバッカラ(干鱈)専門店という非常に特殊なところでした。でも、すごくおいしいんですよ。干鱈の舌のトマト煮込みや肺をニンニクとパセリで炒めたものとか」
石濵が楽しそうに語るバッカラの話を聞いているだけで、お腹が空いてくる。バッカラはヨーロッパではポピュラーな食材でも日本ではあまり馴染みがないため、現在のところはパンに添えるスプレッドとしてオリーブオイルと塩を合わせたペースト状の「バッカラ マンテカート」を出すのみ。これがワインと抜群の相性だ。
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